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時間を切り取り
器の内の水の上に置く
ゆうるりと巡る光に
指を ひたす


失くした大きさと
後に得た小ささ
つりあい無くつりあう径を
風が 静かに揺らしている

 ....
降りたはずの人が
まだ乗っているのに
そこに居る人々は
誰も何も尋ねないのだった


列車がいつのまにかバスになり
やがてワゴン車に変わっても
共に乗っている人々は
 ....
川の終わりの
影ふらす樹に
最初の光が
瀧のようにそそぐ


ふかみどりの霧が谷を呑む
雨粒が土を齧る音
煙の十字
かすかに かすかに名を呼ぶもの


空と径が ....
花を照らす灯が消えて
風がひとしきり吹いたあと
花は土を
濡らすように照らし出す


幾何学の家
同心円の小さな灯り
地の風が雷雲を追い
やがて窓は静かになり
 ....
雨の名残りが漂っている
光がすべて上を見ている
半分は暗く
半分は泳ぐ


蜘蛛が青空をめくり
午後をのぞいては閉じる
空は泡に分かれゆく
見るものの目に分かれゆ ....
通り雨が来る
境いめが震える
立ちはだかり
のぞきこみ
すぎてゆく


片腕の痛み
花の名となり
たましいをひとつ
門の前に置く


暗がりが立ち
静けさを ....
長い夢から覚めた後の
そこから動いてはいけない心
何もしてはいけないと
ただただそこにたたずむ心


いつか何もかもを
消し去りそうなものへの
あこがれと恐怖から
 ....
包み紙をひらくと
何もなかった



てのひらだけが
よろこんでいた
てのひらの水 手のひらの水
生まれては還る
消えては還る
響きを含み 吹き出しながら
虹のかけらに火傷しながら
失くした金と緑を見つめ
渦をひらき 放ちながら
水の壁を倒 ....
爪で頭を掘るたびに
うすく小さな羽が生まれる
「いつまでもたどりつけない」と嘆く羽
たどりつけたらどうなるのか
未だに訊けないままでいる
歌声が
錆びた螺子を廻す
浪は 自身を消し去るものを
待ち侘びている


門のむこうの門のむこうを
陽は照らし陽は照らし陽は照らす
曇とともに 地に落ちながら
灰 ....
曇が降るほうへ
鳥は振り返る
けだものの背が
鏡にたなびく


借物の手が
借物の命を受け取る
こがね色の子が手の甲を聴く
曇のなかの月へ手をかざす


谷底へ ....
こひもともひこさんの木立 悟さんおすすめリスト(12)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
歩く羽- 木立 悟自由詩515-11-7
ノート(52Y,10・10)- 木立 悟自由詩215-10-19
ひとつ_湛える_Ⅲ- 木立 悟自由詩314-7-23
ひとつ_降夜- 木立 悟自由詩614-7-9
ひとつ_金緑- 木立 悟自由詩314-6-18
夜と淵- 木立 悟自由詩314-1-18
ひとつ_離れて- 木立 悟自由詩513-12-3
ノート(つたわり)- 木立 悟自由詩513-11-4
ノート(ひらく_ひらく)- 木立 悟自由詩413-8-14
ノート(剥歴)- 木立 悟自由詩413-8-14
降り来る言葉_LXV- 木立 悟自由詩313-4-4
降り来る言葉_LXII- 木立 悟自由詩413-1-5

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