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{引用= こがらししとだえてさゆる空より
地上にふりしくくすしきひかりよ}
埠頭の水たまりに
月がこごえはじめている
真夜中には
かげもまた針のようにゆっくりと ....
{引用=
つめで
つめを切った
むしり取るように千切った
千切られたつめは
たちまち丸まって
干からびて
ちいさく萎びて不要なものになった
――そのようにして ....
{引用=
まだ肌寒い春の
朝が
ひかりのプリズムに屈折して
すきとおっている
とおくに海をのぞむ
住宅団地の縁をめぐる遊歩道を
愛犬といっしょに回遊しているとき
....
しぬなんておもいもしなかった
ひとが
海をみていた
くっきりカゲを増した
夕映えの
不知火干潟で
たぶん夢中で
ファインダーをのぞいていたにちがいない
もえのこる ....