旅の句。カタカナの眠る胸の中、高く伸びた。
たびのく かたかなのねむるむねのなか たかくのびた
留守番で嘘以下の回想。伝播する。
るすばんでうそいかのかいそう でんぱする
堕天 ....
まだ植物の世話はできていますか、と医師が言うのではいと答える、じゃあそういう喜びは感じるのですねと彼はまた言う、喜びですか、喜びを感じます、でも枯らしたらいけないと思って…と言うと医師はすぐさまパ ....
根底にあるものは確かにあるのに。表現するまでにとてつもなく時間が必要なのに対して。いつまでも付きまとう札。レッテルでもいいし名札でもいい。私にはまだまだかけそうにない、題材が山のようにある。自分にとっ ....
ずる休みをして、駅の喫茶店でホットケーキをたべた。何にもならない恋みたいな良いことが落ちていないか、街をうろうろする。本屋をはしごして本の匂いを嗅ぎ、またちがう喫茶店で紅茶をのんだ。色だけが濃くて ....
お昼ごろまろやかな粉のような白い雪が降って、触れる度に、溶けていく。冷たさに、濡れる。
霧になった雪に触れて増していく色並みが加えていく、濃さ深さ。街並みが輝いている。息を静かに繰り返す。吐息の ....
あなたのせかいにはわたしがいましたか?いなかったとしてもつづいてきたかんけいが、いまをきづいたのです。せかいじゅうにだいじなことをつたえたい。そのいっしんはわたしにはなく、けっかとしてあるのは。じんせ ....
仮名の桜は星害によわい。もう少し適した土地に植われば善かったのだろうが、残念ながらこちらの星には、系の恒星となる日廻りによる明白とだんだら闇が存在する。明白のあいだには仮名桜は水を吸うことしかできず ....
きみが落っこちてきたとき、わたしたちは羨望と焦燥をもって迎えた。いや迎えなかった。きみが潰れるのを見過ごすのはまわりから非難されるだろうというぼんやりした想像で、どうにか両手を差し出した。きみはまちが ....
ハッピーハッピーハッピーハッピーライフジェネレーター
そんな筈じゃなかったの
そういう積りで生くと誓ったのではなかったの
こんなふうに秋でもなんでもない生温い季節に
恨み言をゆうなんて
....
言葉が溶け合って呼吸するような文章(世界)のことを美しいと思います。
空間を飾るような文章。言葉は本質であるかもしれないけれど、文章は額縁である方が好ましいとも。
でももう社会はそれを許容しな ....
夜は眠れなくなってからが長い
静かに目を閉じて
体を横たえても
時間はなかなか進まない
音楽を聴いても
本を開いても
内容が入ってこない
撥水加工が文字をはじく
することがなく ....
小学校のプール(ぶ厚いこけ緑の濡れたものがびっしりと)
大学一年の時の合宿(飛鳥のとぼけた顔)
中学校の理科の時間(ふくらんだ新芽がひらいて気持ち悪いくらい匂い立つ)
わたしたちって今までのこと ....
あなたにはどんなふうにわたしがみえてるんだろうね。どうしたってだれかがなにをおもっているかをきにしてしまうのは、あなたのしせんがじしんにむいている、しょうこだときづいてほしいです。うつくしさだけをかか ....
あなたはことばにまどわされてしまいますね。ひとのあくいしかかんじないという。じゅんかんからときはなたれますように。ことばにはおもみがありますね。じじつとはちがうことばをいえば、そのことばはかならずかえ ....
結局静寂がなかったのが原因なのだろう。私の試作は粗々しく、静寂を知らなかった。一点の波紋を観察することで分かる事もあっただろうに。歪んだ景色が映っていたのだろう。そこには書きたい衝動や、書かなければと ....
言葉の美しさを知らなければ、この空の本当の色も伝えることができない。矛盾点を指摘していくだけが言葉じゃないよ。当たり前のことに。ただ当たり前の毎日があるだけで、幸せをかみしめてみたりしてる。
風 ....
「短歌短歌……」と繰り返すと「カタンカタン……」となり電車気分を味わえる。
風を浴びながら歩いてるときしか良い文章が思い浮かばねぇ。
鉛筆を削るというのは、鉛筆の命を削ると ....
命がある限り苦しむのだけれども。死んでしまえるほどの絶望を抱えたあなたにしか救えない命がある。辛い過去も何もない自分でも。辛い過去を乗り越えた末に選ぼうとする自殺でも。命は繋ぐ事ができる。あなたにしか ....
見えない手で触る事ができるのは子供だけじゃない。忘れなければ掴む事ができる。夢の先と同じ。叶ったら逃がさないのかも人それぞれ。痛みを忘れてしまっては生きていけない。隙間。瞬く。
一ページ毎に生き ....
この祝詞をあげる
あなたにあげる
ひとすじの狼煙のようにあなたに上げる
呪いになろうとあなたに上げる
ひたむきにけなげにかれら
上がっていく
寂しかったでしょう
ほのおと分断されたよ ....
涙でぐしゃぐしゃなんだわあ。あなたがそうであるように、私もぐしゃぐしゃなんだわあ。結構な大騒ぎです。もう帰ってくるとむらさきぐものきれいな朝空が見える季節になってしまったし、私の古い恋なんてほんとにほ ....
あれ、さあ
ああ、あれ
どうなってんだろね
さあ、本人に悪気はないんじゃない
でもさ、一応悪いことなわけじゃん
まあ、恋や愛は他人が口出すことじゃないよ
そうかな
そうだよ
奥さんと子 ....
痛みをもって痛みを制すか、あたたかのふわふわでもって怒りを殺しに仲間を募って血に塗れるか、どちらか選べ。ってずっと言われて育ってしまったピアノは黒鍵ばかりきれいに響くようにはなったけど、白鍵の素朴さが ....
雪のことを知っていますか。「誤解しないでくれ」と言っていた海賊とは無事に地獄で会えましたか。こちらはもうすぐふぶきです。海に降る雪が紙吹雪のようなのと、あなたは言っていましたね。紅白の小林幸子をいつも ....
振り返ると夕焼けだった。
鼓膜を揺らす色。
青が茜に、茜が藍に移ろっていく。
未来できっと私は、いまと違う音でピアノを弾く。違う耳で曲を聴く。
その風景は、いまもピアノの内で眠っている。
....
目障りのよいことばを
こどもの前にさしだす
それでなんだか幸せを
与えた気持ちになれる
口当たりのよい菓子を
思い人に食べてもらう
それでなんだか醜さが
自慢の形に変わってく
....
「すみません、これは、電車という手首、流れる腹で、通常も足、夜に目なのに頬を待ちました、ですか?」
「はい、これは、電車という手首、流れる腹で、通常も足、夜に目なのに頬を待ちました、です」
「あり ....
なんとなく目からビームを出してみる
僕たちはマックに行くのを諦めた
落書きの中で何度も恋をする
ときどきは泣いたりもするお月さま
犯人はきっと我が家の猫ですね
火星へと祈 ....
ほしがらないで、もとめないで、もとめているのは、ぼくじゃなから、からから。ことばじりにいきてきたのは、いままでとはちがう、あたらしさでもふるいわけでもない、ぼくのこえ。
ふぁるせっと、ぼいす。僕 ....
加工されていない人間なんて青い雲が描けない。それは月が悪いわけでも土が悪いわけでもない、ただ星の巡り方が良くなかった。そういう時期の収穫物だった。それだけの事だ。そう言ってほしかった。ただ青い雲が描け ....
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