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たとえるならば
白のキャンバス
ナイフでは出せない
色もまばらな使い古しの筆
なのに、赤だけが多く滲む油絵具
たとえるならば
夢を追う事さえも
....
真夜中のファミレス
遠慮がちに
丸まって寝る老人
テーブルには
ドリンクバーのカップ
人もまばらな
真夜中のファミレス
ひとり・ひとりが
さみしく何かを
抱えて飲むコーヒー
....
げんこつ出してと
子等に言えば
なんと可愛い手が三つ
両手で六つ
げんこつの大きさに握った
おにぎりを一つずつ
パーを出してと
子等に言えば
なんと可愛い手が三つ
両手で六つ
....
お母さんって
優しくて、ふんわりしてて
なんだか甘い匂いがする
うちのお母さんは
いつもくたびれてて
髪のセットもしないまま
仕事に出ては
アルミの粉の匂いがしてた
ささくれと、ア ....
丘を越え 町を走り
海原にて待つ かの人の元へ
駆けてゆく 駆けてゆく
後ろを振り返る事も無く 澱む間もなく
陽が差すあの海岸の
かの海岸の かの人の元へ
涙、未だ止まらずに
思い出が溢 ....
現実が見えない速度で流れゆく
見えずとも流れゆくのは
時間と河の佇まい
喉を切り裂く
その 刹那
声にならない
悲鳴と絶望の渦の中に
また 流されてゆく
小さな小さな ただ
....
木枯らしが冷たい夜を運んでは
僕の処へ置いてゆく
仰ぎ見る丸い月に心も奪われ
僕の存在まで不確かな
無様なものへと変えてゆく
トロトロに蕩けた女への愛情が
女と男の狭間で揺れる橋のよう ....
幾重にも纏わりつくビニル袋が
この生命も
この儚き光にも
二酸化炭素を含めという
カラカラ渇いたこの時代には
辻褄合わせの契りが似合う
一夜の夢を見させておくれ
赤い月も笑 ....
どれくらい恋を忘れていたのさえ
思い出せなくなって
公園へ続くこの坂を上りきったら
思い出せるような気持ちになった
自転車置いて靴ひもをギュッと締めなおす
....
虚ろげな眼をしている誰かに見られている
後ろ指を指されている誰かに怖がられている
怒ってなんかいないのに
怒鳴ってなんかいないのに
このクソアマが
何かが飛ぶ何かが叫んでいる
何か ....
卒業すれど、何も得ていないわたくしに、どうか教えを乞う事をお許しください
さすれば、三月の風に靡く、このセーラーの紺色の襟も、羽ばたける事ができるかもしれません
先生、不得手のモノは沢山です
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