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{引用= 我が友、田中修子に}
時折西風が吹く
そして天使が笑ふ
するとさざ波が寄せ返し
沖を白い帆が行き過ぎる
砂に埋れた昨日の手紙を
まだ浅い春の陽ざしが淡く照らす ....
《なんてこたあ ないんだよ》
翼をたたんだカラスがうそぶく
電柱の上に ぽつつりとまつて
さうやつて 世の中をみおろしてさ
ほら ちよいと
武蔵の絵みたいな
構図ぢやな ....
{引用=
イ短調ロンドの孤独に犬のやうにあくがれて
せつかく育てた{ルビ硝子=がらす}色の{ルビ菫=すみれ}を
ただなつかしく僕は喰ひ尽してしまつた。
失意のかたい陰影を
新緑のプロ ....
{引用=*筆者より――筆者が本フォーラムでの以前のアカウントで投稿した作品はかなりの数になるが、アカウントの抹消に伴ひそれら作品も消去された。細かく言ふと二〇一五年十二月から二〇一七年二月までの間に書 ....
{引用=*筆者より――筆者が本フォーラムでの以前のアカウントで投稿した作品はかなりの数になるが、アカウントの抹消に伴ひそれら作品も消去された。細かく言ふと二〇一五年十二月から二〇一七年二月までの間に書 ....
「家族は唐揚げ」
どこからともなく
湧いて出た
その一句
そのしゆんかんから
なにゆえか
俺の心を とらへて離さぬ
幾百万もの言葉があり
百の何乗だかの組合せがある中で
天使 ....
静かさ
静かさ、といふ音があると思ひます。
秋の夜長、しをれかけた百合を見ながら
静かさに耳を傾けます。
{引用=(二〇一八年十一月八日)}
....
手紙がある
うす桃いろの
手ざはりのよい 小ぶりな封筒の
崩した文字の宛て名も品が良い
封を切つて なかを開けるに忍びなく
窓際の丸テーブルに置かれてゐる
さて 何がか ....
花がしづかに揺れてゐる。
その横に小さな言葉がおちてゐる。
姉さんがそれをひろつて、お皿にのせた。
子供たちは外であそんでゐる。
まぶしいほど白いお皿に ....