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木陰に置かれたこがねの車輪が
午後を静かに染めている
蒼の扉の前で躊躇し
坂の下の影を振り返る
稲妻が生まれる直前に
すべての曇は止まっている
階段を見上げる蒼い傘 ....
空洞が鳴る
鏡の道を
空洞がゆく
光と遊び
冬を呑む子
鱗へ 水へ
蒼をこぼし
葉を追いながら
双子のけだもの
銀を知らず
冬を知らず
....
朝の冠
光なぞる指
覆い
覆いて
凶事とともに
庭に埋まり
花露の熱
打ち寄せる音
寒い光の底から出て
雑な緑を集めている
昼の明るさ
何も無 ....
斜めの鏡に映る逢魔
草が双葉へ渡す花
解体される建物が
料理のように匂いはじめる
小さく鳴る水藻
かわいては沈み
ふたたび浮かび
壁と影を繰りかえし濡らす
....