すべてのおすすめ
どちらから
わたしの見ている世界は一つではないらしい
多次元的(あくまでも「的」)に
連なった酔った琴線
縁側の夜で
わらう猫
どちらから
白の黒さから
歪んだ笑み
しか ....
は、しめっているというのに
雨は、
雨の
仄暗き
雨の奥へは。
らんららんららん
質量に囚われず
なんてつべこべいわず
我が身を笑え
されど迷うなかれ
じっとりとした空気は ....
夏の幻に消えいりそうな呼吸音
いますこし
いますこし失うものは
命のみほかはぜんぶ
あげる
あげる過去の熱
無重力する
肺をこげつかせる
ゆううつな吐露
だすあてのない
手紙机 ....
思いがけず
可笑しさがこみあげて
くるが
すぐに冷め
可能性の欠落を夢みる鋭さ
鮮やかな月に照らされて
{ルビ青灰色=せいかいしょく}の肌は
淡く
光合成を告白するが
しおりは空 ....
カツン
病院の夜
廊下に映る非常灯
漂う薬品のにおいに
鈍く刺激される静寂
今夜は無風
女はそういったことを言ったと思う
喫煙所の密室(いまどき室内なんて珍しい)
いつからここにい ....
チョコレート
チョコレートの包みを
あけたのは
退屈なカエルが
土の中から這い出て
鳴いたから
スカーフ
ほめたら{ルビ白髪=しらが}まじりの
老婆がくれた
....