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夢想家のわたしは
月に見惚れて
昼間の太陽に
手を翳し目を瞑る
いろんな型の
夢に囚われて
現実の厳しさに
夢が砕けてしまった
禍々しい月日が
粉々に砕いていった
わたしの ....
三角くじを引いた
三角形の赤い紙が
二枚合せに貼ってあり
それをはがすと
一等
二等
三等とか
なにがしかが書いてあるようだ
スピードくじとも
いうそうな
アナログなスピー ....
無音の世界で
頭の中を行き交う コトバたち
白いシーツの波間から
しのび笑いの ベクトル
空気を刻む ガボット
微かな振動に 覚醒の兆し
小さなアクビ噛み殺す
ああ もう ....
この辺りまで丘を登りきる
新しく切り開いた道は両脇から砂埃が舞い上がり、僕の口を塞ぐ
上から見下ろしても更地の勾配だけが霞んでいる
いつのまにか、舗装された道路まで引き返していた
....
僕が勝手にホームだと思ってる店がある
マスターはブルースバンドのギタリスト
髭がかわいい熊ちゃん
カウンターで日本酒呑みながらブルースやロックのDVD観ながら
ぼんやりとい ....
夜更け
寒空
ふいに切り立つ飛行機の音は
機械音ではなく
上空に沸く数百の命で成り立つ音なのだと
夏の朝
海浜へ続く道
サンダルと
ランニングシャツで歩く
道端に月見草が揺れる
雲が盛り上がっていく
形が何かに似ている
顔
胸
腕がのびて
腰がひろがって
口が開いて
何 ....
命の最期を見とどける
あの人の笑顔
あの人の声
あの人の怒り
聞き辛い声を
聞こえるようになり
心が読めるようになる
大切に思う気持ち
故郷に帰りたい
それがあの人の
最後 ....
あなたを暴力から守りたいのだ
ぼくの暴力から守りたい
決めつけたり懐疑したり
そんな暴力から守りたい
ぼくの美しい心を守りたいのだ
まだ暗い朝の空気は
つめたく ....
僕の同級生の壮ちゃんは
兎唇ででも大好きだった
中大で一緒になって彼は北茨城し職員
結婚前に家まで建てちゃったもの
僕は文学を選んだだから早稲田だって寺山修司だもんね
....
プラットホームで
白い息が揺れて
空に昇って龍になる
それに見とれながら
新幹線を待っている
少し足元を見て顔を上げた頃
蒸気機関車が到着していた
戸惑いながら人いきれに ....
?. ヘンリー?
{引用=His Royal Harness Prince of Wells United King-damn In Gland}
ヘンリーって変なやつ
変なやつ 変なやつ
....
母さん
随分あんたと
話してないな
いつも 棘を踏むような気分にさせられるから
母さん
今日も元気に働いてるかい
俺のいない町で 遠い空の下で
自由を楽しんでるかい 暴君だった親父か ....
ひとはいつ自分の間違いに気づくのだろう
だれかが去っていってしまったときなのか
深夜に目醒め眠れぬ夜を過ごすときなのか
満員電車で家畜の様だと想ったときなのか
あなたはそれに気づいたこ ....
ゆるゆると
まさに
あなたのやさしさを
あらわしていました
しんとはれた
そらへ
ゆっくりと
とおざかり
わらっていました
貴方の下に
飛んでゆく翼を
私に下さい。
貴方の足を洗い
貴方の下で使わして下さい。
私は貴方の下部です。
貴方は私の主人です。
何でも言う事に耳を傾けます。
私に命をお与え下 ....
十六時になったので
この川沿いのベンチから立ち去ろう
綺麗な夕日を
今日は見たくない
宮島行きの遊覧船が
けたたましく船着き場を離れてゆく
週末は車が通れない元安橋
センターラインを ....
今日の昼ごはんに
ピザを焼いた
冷蔵庫の片隅で
あやうく忘れられそうになっていた
正月から持ち越しのハムを
細かく切って載せてみる
魚焼きグリルを予熱する
五分ののちに
三日前 ....
さしすせそ
が
歯に沁みる朝
凍ったままの思考を
ポケットに突っ込んで
背中を丸めて歩き出す
たちつてと
が
舌で弾けない昼
すっからかんの頭に
ラーメンをすすり込 ....
帰る故郷を持たない
それは誰からも同情されないひとつの不幸
行き場を失った男は
街を彷徨い帰る場所を捜す
しかし もともとなかったものを
どうやって見つけるのか
それは判っているの ....
あなたという詩集を読む
ページをめくるごとに
あなたは姿を変える
それは紛れもなくあなただ
湖面に張った氷の下で
微かにあなたの体温を感じている
あなたはぼくをぎりぎりまで追い詰める
....
やさしくなれる
わけもなく
その笑顔 浮かべるだけで
可笑しいでしょ
夢中なんだよ
特別なんだ 誰よりも
とびきりなんだ なによりも
....
頭よくて運動出来て優しかったのに、中学校入ってから引きこもりになった同級生の事を考えていた。
私は要領が悪くて小学生の時によくその同級生に叱られた。
今、仕事から逃げたいから、引きこもりを ....
去ってゆく
風は肺に染み渡り
)おちていた
いまは隠れて
みなし児を見つめた満月がね
冷たいから
(すやすや)と、思い詰めれば眠れないだろう
)静かな夜
ぬくもりを知らずに ....
広場の真ん中にあるトルソー
それが自由
孤独なんて問題外
ぜったいてきな孤立だもの
関係性の中でしか意味を捕獲できないなんて
ねえ詩人は神に近いんだぜ
....
三本だけ
僕が折ってしまった
桜の枝
八歳と十二歳と十八の春
今日はダレかと
話す気なんかなかったんだ
一人で居たかったんだ
歩きながらでも
煙草は吸えたけど
歩くのに精一杯にな ....
心を探しにやってきました
吹き叫ぶ雪の心はどこにありますか
愛なんか信じた
己のしくじりを
怒っているのかもしれません
うつむいた水仙の心はどこにありますか
抑えても抑えても匂って ....
?
玄関扉を開け左壁面 家で一番大きな鏡がある。
その鏡は 不可能な空間ではないが、出入りする者の体全体を映すだけでなく、家全体を裏返す。
鏡の中に空間があるのだが、その空間に誰かが住 ....
おやすみなさい
同時に寝る
こんな奇跡的な幸福
かさねられることが
また幸福だ
おやすみなさい
同時
ふたり
ふたりだけ
同時
ふとんが ....
指切りをして差し招いてほしい
あわただしく生きていてほしい
てん、てん、と、時折ついてくる足跡を
少しでも砂のあぎとに残せますように
ほら、こんなに ....
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