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夜更けて流るる秋の歌沁むる
果樹も木もなべて古りたる秋の庭
間を置いて鈴虫のこゑ草の中
数減りて二人の対面十月会
留守居せる娘の家や冷房裡
秋の昼強き日射しに出でもせず
海峡の眺めさわやか高速道
ひと月ぶり庭の秋草生ひ立てり
秋刀魚買ふ今日の魚は太り気味
三粒ほど熟れてあじはふ青葡萄
初めての完熟いちじく急ぎ買ふ
フル装備して青柿を消毒す
どの友も傷み抱ふや盆の月
子の帰るまで採らず置くトマトかな
もぎ来たる真赤なトマト喜ぶ子
食卓の寸時の談笑戻り梅雨
夏{ルビ夕餉=ゆうげ}回転ずしの鮮魚かな
{ルビ外国=とつくに}へ戻りゆく子や蝉しぐれ ....
夏空を仰ぐやけふも降らるるか
樹々{ルビ並=な}べて{ルビ草臥=くたび}れてゐし夏の庭
ニアミスの姉と妹の夏帰省
光線の具合よき朝ジニア撮る
にわか雨竿に干したるままにして
鯛そうめん郷土料理の昼餉かな
冷汁の味噌と魚は地元産
地消地産えひめ米買ふ梅雨さ中
{ルビ小=ち}さき{ルビ枝=え}に長茄子の花{ルビ濃=こ}むらさき