すべてのおすすめ
望まれてあなたの髪に入る冬
待つことも降ることもなし神帰月
呼べば降る呼ばずとも降る鬼火かな
骨の冬気付かず歩み骨となる
....
目を閉じた赤子の笑みに触れる花
ひとひらをくちうつしする涙かな
赤子の手何を語るや散る桜
とどまらぬ光の糸をたぐる花
名づけても名づけきれぬ日花 ....
ねむりたい頭のうえの冬蜜柑
渚なきからだ横たえ冬を聴く
白髪に月がふたつの冬夜空
斃れるはきさまだと知れ雪つぶて
おのれこそ ....
遠去かる陽がうなずいた草の輪にやがて降り来る雨のふちどり
痛む目となだらかな背を持つものは皆それぞれにぽつんとしている
ひとりだけ此処に居ること奏でれば返る応え ....
春の花ほつれゆくまま雨模様
現し世のなべて二重の涙かな
雨の舌双つの蝶を行き来する
手のなかに生まれ滅びる己かな
留めおく術も失くし ....
またひとつ橋が作られ繋がれど私はどこにも繋がらずにいる
階段の踊り場の窓すぎるうた渡り鳥の声かぞえゆくうた
道ばたの雪のかたちに触れるたび光ふちどる ....
脱ぐときは背中から脱ぐ春近し
目薬のまばたき世界を巡りゆく
歯の奥の穴に詰め込む笑いかな
にやにやと胃がさげすむ日空は青
とどこおる想い手のひら解き ....
中庭に緑の影を落とすのは独りのために建てられた家
階段と蔦からむ窓ゆらす音めぐりめぐる手すがた持たぬ手
門と門くぐる者なき中庭に降る雨のよな鳥たちの影
....
原に舞う少女の肩に髪の毛に見えない蛇がうずくまる午後
くずおれた樹と鉄塔は野に沈み過ぎゆくものの夢をみている
花ひとつ口に含んでまた戻し蛇と少女の無言のくち ....
不安げに緑を歩む鳩の目がふと振り返り鴉になるとき
手のなかの鳥の器に降る震えこぼれゆくままこぼれゆくまま
いつわりの光の模様の窓をゆく姿を持たない鳥たちの列
....
自転車をこぐと水車の音がする流れを馳せる冬と春の背
午後の陽の光と音のお手玉が言葉に変わる冬と春の手
こぼれゆく言葉は道にかがやいて見つめつづける冬と春の目 ....
この道は誰が奏でる笛なのかさみしいばかりかなしいばかり
雲のない空を見上げて歩きゆく光を知らぬ光の穂の道
はたはたと星をつかんだ曲がりかど野をわたる声ふりかえ ....
本木はじめさんの木立 悟さんおすすめリスト
(12)
タイトル
投稿者
カテゴリ
Point
日付
冬とまばたき
-
木立 悟
俳句
5
12-11-16
花の国
-
木立 悟
俳句
14
06-5-7
冬とからだ
-
木立 悟
俳句
8
05-11-22
ノート(窓)
-
木立 悟
短歌
8
05-6-10
花と涙
-
木立 悟
俳句
11
05-6-8
仮歌(かりうた)
-
木立 悟
短歌
2
05-4-22
春のからだ
-
木立 悟
俳句
8
05-4-21
廃園
-
木立 悟
短歌
6
05-4-18
ノート(姫と蛇)
-
木立 悟
短歌
7
05-4-15
ノート(鳥)
-
木立 悟
短歌
7
05-4-5
冬と春
-
木立 悟
短歌
5*
05-4-5
ノート(道)
-
木立 悟
短歌
8
05-3-21
すべてのおすすめを表示する
推薦者と被推薦者を反転する