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そっとしておいて

軽やかなジャンプ

手をつないでゆっくり

静かなダンス

浮きあがる心は

淡く光る

しっとりと濡れた街は

柔らかなマシュマロのような

つつ ....
列車の暖かいシートに座ると

向こう側のガラスの奥には

半透明な私が少し微笑んでいて

疲れて座っている

暗闇にうっすらと光り浮いている私は

ゼラチン質のように柔らかで他人の ....
私はずっと犬が飼いたかったのだけれど
今でも犬の散歩などをみると
羨望の眼差しで見てしまうのだけれど
いつも家には猫が居た

だいたい野良猫がそのまま居ついて
或る日ふといなくなったり
 ....
街を歩きながら

スナック菓子の箱を開けて

袋を破いて口に放り込むように

雑踏に落ちていくことばを拾い上げ

軽くて浮いていることばをつまんで

ひょいっとむしゃりことばを噛む ....
冷たい空から降ってくる

鮮やかな光

あんまり冷たいから

女の子はしかめっつら

行き交う人々に注がれる

輝く肌は薄くて一枚一枚剥がれてゆき

筋肉が想う心が躍動し

 ....
川沿いを歩いていると
色鮮やかな
もげた螺旋階段がくるりと横たわっていた

私は危ういバランスを保ちながら
登ってみると
先に透明色の螺旋階段が伸びている

そうっとゆっくり
どっこ ....
雑木林に捨てられた
大きなブラウン管テレビが
ただ転がっている

近づいて中を覗くと
ガラスの外には
私の知らない家族が映っていて
こちらを何も考えずに

ぼうっと
のぼうっと眺め ....
自転車を走らせながら

夜空を眺める

近くて軽い

感触が迫っている

もう少しで届くよ

立ち上がり私は伸びていく

ビルよりも高く

今日食べたラーメン

箸です ....
風が冷たい
身体が冷たい
だけれども街から溢れだす明りは
なんだか暖かそう
溢れ出す人々は優しそう

私がぽそぽそとつぶやく
他愛のない言葉に
そうだよねと
頷いてくれているようだ
 ....
全自動

機械化された巨大な工場から

生み出されていくコンビーフの缶

ねじをくるくる回すように

側面の皮を剥ぎとっていけば

感覚がむきだしにされていく

フォークで突き ....
すっぽりと紅葉を被り

ひのひかりを浴びる

こっそりと山を歩きながら

誰にも気づかれないようにと

鳥の鳴き声をまねて

飛んでいく

雲が急に流れだし

しっとりと山 ....
てのひらひらひら

紅葉ひらりひら

ほぅらほら

どこかでだれかが呼んでいるよ

重なり合った呼吸が

色を濃くしはぜる音

夕焼けが沈んでいくように

どこかに吸い込ま ....
雨音で起きる朝

ひんやり冷たい水族館にひとりいる

水槽には何もいない

雨音だけが響いている

水槽に手をあてると飴細工のように

脆く崩れて

雨が横殴りのように降ってく ....
静かにそうっと放っておいて

小さなカタマリは

片隅で

少しだけ浮く

なぜ浮くのかしら

小さなタマシイは

わたしの耳の裏で

そっと囁く

いいことかしらと
 ....
見上げると木の葉はもう染まっている

風もずいぶんと冷たい

そうして

風で葉が落ちているのを

何も考えずに眺めていると

いつのまにか私が大切にしてきたことも

こうして ....
同じ言葉でも

私が放つ言葉と

あなたが放つ言葉は違う

私が放つ言葉でも

時と場所でとても違う

しかし言葉は私に

それぞれ違う形や色を見せながら

少しずつゆっく ....
カタコトカタコト

プラスチックナコトバ

ツッケンドンナハンガートワタシハ

クルクルクルリトブーメラン

カタコリコロリトオトストネ

カルカッタスギサッタイタミノオクハ

 ....
指でなぞる雲

指先から放たれる感覚は

自由自在に空を飛ぶ鳥のよう

ひゅいと懐かしい風が吹く

雲をなぞったように眉毛をなぞり

瞼を閉じれば暖かい光が

残像を呼び起こし ....
たりたりたりと

私の何か少し足りていない

ミリデシリットル分の

たりたりたりが

足早に私のうしろをついてきて

影に交じりながら

陽をよけて

たりたりたりと
 ....
目を閉じて

瞼の裏で泳ぐ半透明の熱帯魚

朧げな景色

緑に覆われた朽ち果てた遺跡の中で

私はとても柔らかい座布団に座っている

宙には

カップ麺の容器がたくさん浮いてお ....
街中で知らない人と沢山すれちがう

わさわさ人

つつつ つつつ
つつつ つつつ

つらなる人と私

駅につきすれちがう視線

電車に乗り窓の外を眺めていると

つつつ つつ ....
清らかな川の水に足を浸していると

冷たくて気持ちいい

足の先に触れる石の声が

沁みこんできて

生まれ変わっていくようで

何も考えずに

河原に転がる大きな石となって
 ....
まだ曇り空

少し前に雨が降って地面は濡れている

綺麗に洗われた石畳の道を歩き

色艶溢れて髷結う人々が行き交いそうな

長い石段をゆっくり登っていると

小さな蛙がよこから
 ....
風鈴が鳴る

気のせい

エアコンで冷やされた身体は

動かすたびに耳のうしろあたりで

ごおりごおりと

暗闇で白クマがふりかえったような

私も同時に身体をうしろにねじると ....
同じ格好した仏像さんが二、三十

指の腹で撫でながら

ひょいっとひとつ持ち上げたら

あぁこのおもさがちょうどよい

ひんやりどくどく

てのひらの中から身体の中へ

巡る巡 ....
夕暮れ
石ころが転がる河原で
ひとりのんびりビールと

割り箸に刺したはんぺんを
七輪でささっとあぶり
ちゅるちゅる呑みこんでいると

対岸にオレンジ
鬼火が屋台の提灯のように
等 ....
そっと風が吹けば

散り散りにこころは飛翔し

うらおもて

うらおもて

ひるがえり

夕暮れ空の向こうで

群れをつくり

大きなさかなが一匹

空をゆっくり泳いで ....
空に向かって高く

超合金製の蟻の巣が

渦巻き状に伸びている

無機質でのっぺらぼうの蟻の巣も

夜になれば

綺麗に画一化された部屋には

優しい灯りが点り

街を照ら ....
もげそうになった

私の身体の一部は

かさかさの瘡蓋で覆われていた

滲む体液が乾燥して

指でなぞると

疼き蠢き熱を帯びているが

やがてだんだん鼓動が波のように去ってい ....
ひっそりと

こっそりと

足を並べて立っている

大きくて哀しいこと

小さくて嬉しいこと

ひっそりと

こっそりと

歩いてみれば

誰も彼も何かに夢中で

 ....
subaru★さんの灰泥軽茶さんおすすめリスト(61)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
そっとしておいて- 灰泥軽茶自由詩613-12-25
もうひとりの私はゼラチン質のようだ- 灰泥軽茶自由詩1213-12-21
猫のあたま- 灰泥軽茶自由詩2013-10-22
むしゃりことば- 灰泥軽茶自由詩5*13-2-9
冬の躍動- 灰泥軽茶自由詩12*13-1-19
もげた螺旋階段- 灰泥軽茶自由詩10*13-1-4
ブラウン管テレビ- 灰泥軽茶自由詩5*13-1-3
軽い夜には自転車はよく進む- 灰泥軽茶自由詩6*12-12-28
街の明りは溢れだす- 灰泥軽茶自由詩6*12-12-25
コンビーフコンビナート- 灰泥軽茶自由詩5*12-12-8
秋の音- 灰泥軽茶自由詩7*12-12-4
さようなら- 灰泥軽茶自由詩10*12-11-29
雨音- 灰泥軽茶自由詩9*12-11-23
綿埃- 灰泥軽茶自由詩6*12-11-18
秋の飛翔- 灰泥軽茶自由詩15*12-11-9
言葉を放つ- 灰泥軽茶自由詩7*12-11-7
カタカナカナ- 灰泥軽茶自由詩3*12-11-3
すじ雲- 灰泥軽茶自由詩13*12-10-9
たりたち- 灰泥軽茶自由詩9*12-9-22
トロピカルな未来- 灰泥軽茶自由詩8*12-9-9
かずのこ- 灰泥軽茶自由詩8*12-9-4
休憩- 灰泥軽茶自由詩16*12-8-30
雨のち曇り時々蛙- 灰泥軽茶自由詩8*12-8-13
気のせい- 灰泥軽茶自由詩6*12-8-9
蚤市の仏像さん- 灰泥軽茶自由詩11*12-6-22
はんぺん踊り- 灰泥軽茶自由詩19*12-6-16
うろこころ- 灰泥軽茶自由詩13*12-5-30
蟻の巣- 灰泥軽茶自由詩11*12-5-25
もげる身体- 灰泥軽茶自由詩8*12-5-19
ひっそりこっそり- 灰泥軽茶自由詩12*12-5-17

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