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黒鍵みたい
しっぽでおへんじするよ
謳ってみて
《薬剤名》 ・・第一工場食堂北側窓
《有効成分》 ・・空、富士山、雲
《効能・効果》 ・・鎮静、滋養強壮、
見失った自分の立ち位置が見つけられます。
《用法・用量》 ....
「その食べものを、一つ私に下さいな。
この小さな手にポトリと落として下さいな。」
うっかりと、
すっかりと騙されて。
本当は、
「とっととよこせ!そのエサを‼
ほら ....
雨の跡
熱射を過ぎて不確かに薫る夏の断片
色さえ濡れた世界は
モノクロームに限りなく近く
静かに路上を伝う
人間にしっぽがなくてよかったなって思うよ
だってもし
僕にしっぽがあったなら
君が笑うたび
ちぎれてどっかにいっちゃうもん
ききみみは みぎか ひだりか
自分でも わからなくなったので
るるるっと まわして ききみみをたててみる
まさか ほんとうに
つまり これは 透明人間になったということだ
....
常温で液体の金属である水銀
調合し身体の永遠を祈り水銀
を呑んだ皇帝や時の権力者も
現在の人々もしている事は同じ
自らの羽を喰らうヘルメスの鳥
だとしたら
ことば に できな ....
想像力だけで生きるなんて悲し く
それでも あらんかぎりの言葉をめぐらして 書く
かんがえて かんがえてを くりかえすほどに
言葉は みじかく ほんの一行で事足りる
あんまりといえば ....
街のビルとビルの境目で
くりのようなあたまをしたぐり子の爪先から
どろどろととどろく
悪夢が満ち溢れんと
まっくろな煙が立ち上がる。
その一方、
森の奥では
七色のかすみ草が
今にも消えてしまいそうな ....
僕は
幸之介(ゆきのすけ)です
イケメンでしょ?
僕は
この間
引っ越して来たんだ
僕だけの
いいおうちをもらったんだよ
僕はね
いつも笑ってるんだ
笑顔は
笑顔を生むんだって
....
5分でできること
5分をかけてできること
生きていれば
5分後の世界へゆける
ヒッグス粒子のおかげ
生きていれば
5分をかけてできること
5分でできること
これより先、辛くても笑顔で
ぼくのたいせつなピンナップは
可愛いおんなのこでもなく
こころを満たす風景でもなく
人間たちという
お芋の写真
肉じゃがになったり
カレーに入ったりして
みんなおいしく生きてます
いも堀りっ ....
きみは あまいよ
けれど きみの人生が きみに期待しているのは
すべての雨の音を聞いて
すべての風に こころを寄せて
甘く実らせることさ
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森のなかにひかりの妖精が住んでいることをアーヤは知っています
見たことはないけれど知っています
森のなかに足を踏み入れると辺りはほの暗くなりました
アーヤはうえを見上げます
木漏れ日がちらちら ....
アーヤは森を眺めるのが大好きでした
森の甘い匂いがアーヤの鼻を撫でています
森のうえでは雲がぐんぐん姿をかえてゆきます
とうとう青空だけをのこして雲は見えなくなりました
森のやわらか色の緑はず ....
彼女の赤は優しかった
激しさの中にある
少女の純粋
目に優しいのだ
アクリル画は
なお
ピンクを孕んだ赤だ
長い闘いの中で 手に入れた
永遠に続く
才能と力も
きっと 生まれ育った ....
やぁ。
笑ってるといいことあるよね、
って、
ぼくの飼い主は口癖のように言うます。
不器用なのです。
だから、
ぼくも笑ってみたです。
にこっ!
(飼い主ー、やーい、お腹空いた ....
うすくつもった無音
じゃれあう轍
だれかオレに
うまい珈琲をいれてくれないか
きょう傷ついたことなども
香ばしくてすっきりとした
あったかな気持ちにかえてくれないか
うすくつもった無音
....
実験。手書きで詩画みたいなのを。
深緑の草むらだけが生きている
強い風が吹いた時
古い建物の2階 少年の頃のあの子が見ていた
「汚いね」澄んだ声が蘇る
「疲れたの」そんな大人になりたくなかった
まだ間に合うよ
あの ....
充血するほど
見つめあっても
見えないものはある
どんなに長い
聞耳を立てても
聞こえないものはある
見えているのは
草原の遥か彼方の
とても体裁の良い
互いのまぼろし
....
ももいろ
さようなら
バスで行った昨日
捨てられたももいろ
ゲージの底で
しずかに空を見ていた
ももいろ
さようなら
明日も晴れる?
雨はイヤ
わたしの体
....
人が集まり
街が賑わう
楽器のパレード
彩りの人たち
子供は少し
慌て者
大人は少し
はにかみ屋
青色の空
虹色の草原
赤色の帽子
黄色の花びら
うどんの味
子供の手招き
魚の死体
食す ....
ちかくを歩けば
イノシシの家族が帰ろうとしている
かたくてつめたい反射だけのいとなみ
こいつらとの邂逅は
痛快なくらい
ちがう生き物とのものだった
寂しくて嬉しくなる
なんにも価値のな ....
あたりまえのように
ふたりで
広い河をゆくように
空をわたってゆく
波にだれかをさがすように
おなじものを一緒に食べるということ
目で歯で
舌で喉で臓器で
からだで
あたらしい発見 ....
3寸のおおきさで
生まれたわたし
お嫁にいきたく
ないです
と、
もういちど
竹の中にもどれれば
いいけれど
それはどうにも
無理だから、
月を見ながら
涙します
ここにいたいと
涙します