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朝よ
朝露よ
異国の万華鏡よ
熟しきった永遠よ
露は葉を忘れ気化せよ
昼は夜は六月に無窮
を土中で悟れ
なみだは泉川を遡り
辿り着いた源泉
に致死量のヒ素を
さて枯れたふるさと
....
部屋のなかの風速はマイナス
まるでフラスコの底で
蹲るだけの異邦人
となって私は偶像を失い
祈り方を忘れる
(遠ざかってゆく)思い出という名の
私を掌ってきた漣は
枯渇したみずうみで途方 ....
天気予報をみてみると
昨夜は南南西3メートルを
子守唄に眠ったことがわかった
眠っていたのは惜しいかな
窓を開けて風を招いて
お茶でもしたら良かったかも
風の好みはミルクティー
....
風のことづてに
こころ惑わされ
こんなにそれが
痛いならいっそ
野に揺れるまま
いつかは朽ちる
名前なんか無い
花になりたいと
ヒトの世と違い
名前で争わない
ただのあおい花
咲 ....
ひろがる風景は立ちすくむほどに
一面の無言のポピーの原っぱ
あとは空だけ、ほかに何もない
音、振り向くと一軒の民家があった
蜘蛛の糸にすがる、
そんな心地ってこんなだろうか
....
風渡る海浜では
大きな櫓が燃えていた
ひとびとが囲んで
暖を取っていた
みたいひとびとは
すっかり着込んで待っていた
新しさは必ず訪れる
固く信じて
その時閉じ方に誰が思いを馳 ....
雨音さやかに静かなゆうべ
壁の時計の秒針だけが
雨と呼応しあしたをみてる
そんな静かなひとりのゆうべ
予定の書けない理由も捨てた
埃かぶった半年分が
国の決まりで宣告されて
終わった ....