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夜は窓を踏み
窓は夜に座す
がたがたと
風のふりをする亡者
記憶は波の上に居る
はばたきとくちづけをまちがえる
羽のような蜘蛛の巣があり
風を抄い 揺れつづけ ....
木のかけらと
あたたかい水が
午後と夜の境いめに
蒼い浪となり流れ込む
錆は子らの名をくちずさみ
鉱は荒れ野に伏している
陽を転がす指や指
流れの内に華やいでいる ....
冬の背中
冬の公園
冬の遊具
開くはずのない窓のまぼろし
そこに居ない声
大勢はひとり
冬の径
握りしめた楽器
明るい
ただひとりの窓
陽を浴びてい ....
くちびるに触れる鈴の粉
遠雷 器
雫と滴が
すれちがう径
ひとつのなかの無は増して
響きはさらに高くなる
窓の鉛 壁の銀
水の淵を照らす粉
分かれる前の ....
かぎ裂きの浜辺を
ひとり遅れて
虹は歩いた
問いには応えず
奏でる指から流れる血
嵐の先をしめす標
会いたい人に会えぬ代わりに
言葉ばかりが目に降りそそぐ
....
幼い虹が
水たまりを駆けてゆく
窓を流れ 昇る曇
誰かが何かを読む声が
水路の終わりに響いている
空に迷う鳥の声
白に降りる白の声
割れた渦にざわめく森
....