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リアルには実態がない
わけではない、勿論
ただそれが波及する場所に
なにかしらの不具合が
生じてしまうのだ、きっと
リアルはとても
いたずらっ子だから
リアルは
....
ゆで加減に失敗した海鮮パスタを食べていると玄関のチャイムが鳴って、ますます気分が滅入った。お届け物でーす。ドアを開けるなり、男性宅配員の間延びした声とともに――これはなんだろうか――賞状などをしまっ ....
「泣き腫らした家」
その家は号泣する
時間を失った丘陵にたたずみ
家主の帰りを待ちわびながら
その家はときどき夢想する
彼女が門扉を開き
飛び石伝いにやって来るさ ....
明るい心臓の奥深くに
私のかたちに似た木が一本
ひっそりと佇んでいる
その木は、
常緑と呼ぶにはいささか
難解で
落葉と呼ぶにはいささか
陽気である
そし ....
母が私の靴をはいて出てしまった。
『せちがらい世の中です。どうか探さないでください』
朝起きると母の書き置きがあった。あまりにも淡白なセンテンスだった。私は泣きながらトーストをかじり、泣きなが ....
(私はいつも仰向けで寝入り
決まって仰向けで目を覚ます)
その日天井のしみは、妹のクラスメイトの顔だった
昼下がりに学校を早引けしたきり妹は姿をくらました
(私はいつも仰向けで寝入り ....
おととい、この町はもう終りだと誰かの「影」が千鳥足でふらついたまま標榜したのがはじまりだった。
きのう、よその町の「影」が焦点の合わない眼でニヘラニヘラ笑いながらやって来て躊躇なく私たちの「 ....
ある科学者は、そこで対になる点などセカイの怠慢の極みだという。
ある考古学者は、われわれが日常で行っていることはすべてその向き合う点のバランスだという。
ある文芸評論家は、点は一つの空間に一 ....
目には見えないが
確かに巨人の朗読が聞こえる
すぐ近くにいるときもあるし
間遠いところから
細々と聞こえるときもある
詩や あるいは詩が
巨人は聖書のゴリアテとは
一 ....
あなたはとても照れくさそうに笑うそれを見るとわたしは無性にいとおしい気持にあふれる
(わたしたちの愛に余裕はないのだから)
偶然だねとかいっしょだねとか聞くとどうもその手には弱いみたいあな ....
たとえあなたが農夫でも農夫でなくてもあなたが文章家でも文章家でなくてもあなたが小鳥でも熊でも蛇でもあなたが空でもあなたが風でもあなたが土でもあなたを好きわたしはずっとあなたのそばにいるあなたとキスを ....
真山義一郎さんの豊島ケイトウさんおすすめリスト
(11)
タイトル
投稿者
カテゴリ
Point
日付
リアルのすべて
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豊島ケイ ...
自由詩
14*
10-11-26
そこらへんにいくらでもいる人
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豊島ケイ ...
散文(批評 ...
15+*
10-11-11
泣き腫らした家/泣くまでの経緯
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豊島ケイ ...
自由詩
14*
10-10-26
私のかたちに似た木
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豊島ケイ ...
自由詩
13*
10-10-15
母の靴、私の靴
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豊島ケイ ...
散文(批評 ...
18*
10-10-6
しみ
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豊島ケイ ...
自由詩
17*
10-10-2
「影」
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豊島ケイ ...
自由詩
4*
10-10-1
ボクが夢で見た楕円またはその中の二つの点について
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豊島ケイ ...
自由詩
5*
10-9-23
朗読する巨人
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豊島ケイ ...
自由詩
15*
10-9-15
日向のころ
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豊島ケイ ...
自由詩
8*
10-9-8
十一月
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豊島ケイ ...
自由詩
12*
10-8-26
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