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膝の上の猫
まるで愛おしい生き物でも見るような目で
わたしを見てにゃーと鳴くの
通り雨降る、夏の午後
その視線を
すり寄ってくる体温を
振り払いたくてそっぽを向いた
うっとう ....
絡み合った方程式
かけてたして、導き出すの
“しあわせ”という名の回答を
笑っていたい
笑ってほしい
わたしの“しあわせ”は
わたし一人ではつくれない
空いた隙間を埋める ....
その人には顔がなかった
ゆっくりと動く喉仏
見なくても分かる 嗤っている
高い位置から嗤っている
私の苦手な目をして
私の苦手な言葉を紡いでいる
その人には顔がなかった
....
夜の次には
朝が来ますように
春風が貴方のもとに
届きますように
空が晴れていますように
温もりが涙が笑顔が
貴方と共にありますように
そして何より
どくん ....
世界が声を失くしても
消えない音符と手を繋ごう
脳が奏でる
たった一つの音楽
外国語よりうんと近くて
私が使う日本語より
少し遠い言葉達
その歌の中に自分を見た
その人 ....
「有害な空気を生み出す煙突のようだね」
そう呟いたのは、他でもない私の心でした
体内をぐるりと回り行き場を失くした有害物質は、ため息と共に吐き出される
透き通った冬の空気
吐いた息は煙 ....
沼の中へとダイブしたい
白いワンピースが泥色に変わる瞬間を
この目にしっかりと焼きつけて
刻みこむんだ
服に肌に心に
生きてゆく為に必要な汚れを
泥んこになった ....
この命に何を求めるの?
光なんて望まないで
空っぽになった 言葉の引き出し
錆びたシャベルで庭を掘った
探していたのは君へのプレゼント
いつしか足の踏み場はなくなって
真っ逆 ....