すべてのおすすめ
秋になったら家を出る
軍手とシャベルを持って遠く遠く
九月いっぱいは歩き続ける
十月は釣りなどして過ごす
十一月が木々を染め出したら
場所を決めて、あとは待つ
落葉を敷きつめてその上に座る ....
11月、木々の葉が色づきはらはら落ち始める
北風は来年の暗澹を伝えて道行く人の首根をつかむ
11月、テラスでコーヒー飲んでる女の唇がひび割れて
口蓋で舌が卑怯な男に打電する、シで始まる五段活 ....
新宿駅の地下連絡通路に連なり通行人をガイドする
柱の鏡で彼女は念入りな化粧の最中だった
思春期の門口に立つ少女のようにあどけなく熱心に
出勤前のホステスのように身を乗り出し一心不乱に
何千とい ....
やがて晩秋というのに夜中のしじま
身を寄せ合う恋人達の姿もない
灰色のロミオは塀の上
ソネットをひとくさり
オウ、ムォウ、マオ、アオー
猫が、まるで狼族の遠吠えのよう
{引用=出て ....
ストロベリーとカスタード
生クリームにマスカルポーネ
いちばんカラダが甘くておいしい
スペクタキュラス、インテグラル
五反田のペントハウスでクンニリングス
ゴーヂャスに裏さびれたお肉の宴
....
降下した米兵を殺してロープに繋ぎ
歌いながら曳き回すモガディシュの人々
襤褸さながら転々する、頭のもげた死体
Mercy
蹴倒され髪を掴まれ哀号と泣き叫び
腑抜けのように脚を開いて
日 ....
未明からカラス達が鳴き騒ぐ
燃えるごみの日
電力を享楽する都会 まして貪欲な鳥達に
夜盲は無縁なのだろう
ゥアー ゥアー
アー アー
グオッグオッ オッオッ
アガ アガ グァー
多彩な ....
ブヨブヨな意気地を腐った体とギガだせー服で包み
指先大の仮想世界で王様やってるチンカス野郎と違って
原寸大の実社会で膂力を持て余す益荒男にとっちゃ
徴兵制もねえユルユルまんこみてーな日本は窮屈極 ....
フォルム
カント・フロイト・エピキュロス
それは遅れてやって来る口唇期
いや十数年を隔てて再発現する恣意的口唇期
恋人達はみなジークムント・フロイトの愛弟子
今や心理学では眉を吊り上げ ....
{ルビ永久=とこしえ}の春の国 霊魂
永久の国が空にある 森をさ迷う恋人よ
雲雀の嬉しげな 安らう時を知らぬのか
姿無い囀りの遥かな高みに 湖水に休む月影を
....
黒いサングラスをかけて見れば
世の中真っ暗だ
青いサングラスをかけてみれば
太陽さえ病んでいる
だが世の中終わりじゃない。
黄疸の赤ん坊は黄色いミルクをよく飲むし
血まみれの群集は市営プー ....
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