すべてのおすすめ
土曜日のお昼ゴロ
テレビの前でゴロゴロ
珍しくないから
昆虫図鑑にも載せてもらえず
面白くないから
観察日記にも書いてもらえず
疲れやすいお年ゴロ
リモコン片手にゴロゴロ
....
頼りなげな黒い煙は
空に還ることもなく
密閉された風景の中へ
呆気なく取り込まれていった
昨日の端から一刀両断に
切り離された時空に
冬物の黒い服を着せ
ひたすら透明な汗をかいて ....
<種類別> アイスクリーム(自称)
<体脂肪> 22.0 %以上
<内臓脂肪> そこそこ
<原材料名>
怠惰、臆病、猫背、妄想、未練
安定剤(貧乏ゆすり)、乳化剤(溜息)
....
息を押し殺して
手のひらでそっと囲んだら
金色の鱗粉を残して
忽然と消えた
紫色の残像は
一瞬だけ切なく薫った後
押し寄せる後悔の波に
さらわれていった
視界の端をくすぐる ....
ア
ワ
ブ
ク
ぷわりぽわり
ワキンの溜め息
見た目はすくいたがりの彼氏
見た目はすくわれぶりっこの彼女
ついでにすくわれた私
本 ....
赤く開いた傷口に
橙の光をなすりつけ合って
黄ばんだ言葉を交わしながらも
緑葉であり続けようとした僕達は
....
粘っこい足跡なんて
振り返りたくはないし
遠くへ行くつもりもないから
マイペースの匍匐前進
アンテナは柔らかいけれど
難しい言葉は受信できないし
とてつもなく臆病だから
ツノもヤ ....
引っ掻き傷のような雨に
ふやけていく街の輪郭を
見ているようで見ていない
雨のまにまに
彼女の打算
蒸留水のような嘘が
グラスのふちを伝うのを
見ていないようで見てしまう
雨の ....
なぜ詩なのか
面倒臭くて つい
手軽な言葉を投擲してしまった
口淋しくて つい
甘ったるい言葉を咀嚼してしまった
<優しさ>の優しくないアクや
& ....
喜びが
駆け出していった方向を
振り返る
用心深く植えつけた
日々の暮らしが
そよいでいる
怒りが
駆け出していった方向を
振り返る
自分の窪みに貼りつけた
絆創膏 ....
まどろみの風下で
アミメキリンの夢を見た
縁側の木漏れ日の
網目をかいくぐって
鯨偶蹄目キリン科の
枝先に腰掛けていた
うたたねの岸辺で
アミメキリンの夢を見た
首を長 ....
軽やかに街を吹き抜ける風が
まことしやかな君の噂を
僕の耳元で囁いていく
騙し絵もどきの日常の水路を
予定通り流されながらも
まだ僕はなくした鍵を探している
散り終えた季節に
....
ふるら
ふるり
舞い落ちる
薄紅色の憂鬱に似たもの
らるら
るるり
鼻先で笑う
どちらの岸にも辿りつけないもの
うるら
うるり
降り注ぐ
乳白 ....
いろいろなものを
誰よりも多く掴もうとして
硬くなってしまった
てのひらの
欲張りな力を
少しずつ緩めてみよう
うっかり掴み損ねたものは
そのまま放っておけばいい
本当に必要な ....
ウマウアカの谷に
春が来たよ お嬢さん
ウマウアカの谷が
歌っているよ お嬢さん
聞きかじったフォルクローレが
頭の中でループする
空を突き刺す白い山脈の彼方から
響いてくる ....
君は
ひとつぶ
哀しみを
螺旋構造に宿したまま
この世に零れ落ちてしまった
ひとつぶ
君は
ひとつぶ
喜びの
光にくすぐられて発芽し
言の葉の二葉を広げてしまった
ひ ....
どこまでも続こうとする坂道
喘ぎながら
繰り返される独り言のような呪文
聞きながら
やみくもにしがみついたあなたの背中
眠ったふりしながら
安いおしろいに混じった汗の匂い
嗅 ....
ギザギザの
気温の折れ線グラフの
端がほつれて
光の縦糸が
眠たそうな家並に
垂れ下がる
カチカチに
凝り固まった表情筋の
端がほつれて
微笑の横糸が
路地裏の野良猫を
追い ....
ゾロリ
色のない
貧血の頬を
滑るカミソリ
ピリリ
痛みのような
微弱電流
プクリ
鼻の左下
盛り上がる
赤い液体
チッ!
煩わしいだけの
日常茶飯
ゾ ....
しっかりと背筋の伸びた
背中を想い出す
負けず嫌いで前のめりな
背中を想い出す
スーツの ジャンパーの
似合わないポロシャツの
背中を想い出す
ブレない 振り向かない
....
るん
光が
さえずってる
北風に耐える
常緑樹の
尖った指先の上で
るん
光が
うわずってる
北風を壊す
自転車の
忙しないスポークの間で
るん
....
北東の隅にある茶色いシミは
無鉄砲で幼いエネルギーが
やるせなくせり上げた僕の山脈
山肌に滲んだ汗と涙は
入り組んだ等高線に弄ばれながら
諦めに良く似た水色の帯となり
....
浜町で地下鉄を降りたら
明治座を背にして
とっぷりと暮れた
甘酒横丁をまっつぐ歩く
人通りも疎らな通りを
吹き抜けていく北風が
飼い馴らしたはずのひとりぼっちを
カ ....
低いほうへ
もっと低いほうへ
流れていこうとする本音を
どうしたものかと
眺めるばかりの今日この頃
後ろ向きは
好きじゃありません
斜め上45度に向けた建前を
たまに誤 ....
青空に顔を向けて
無邪気に咲いた早朝
陽射しが眩しすぎて
不甲斐なく萎んだ午後
無力を思い知って
力なく項垂れた黄昏
もう夢なんか見ないと
突っ伏して泣いた真夜中
花が落ち ....
吹きすさぶ風に
みがかれて
凍てつく水に
すすがれて
透き通ってしまった
哀しみは真冬の
背骨に宿った
遠ざかる空に
みはなされて
優しすぎる光は
とどかなくて
行先すら ....
とにかく
兎に角
せっかく真っ新なのに
相変わらず後ろ向きだけど
お粗末な背面跳びで
何かを飛び越えていこう
とにかく
兎に角
せっかく明けたのに
相変わらず手探りだけど
....
草食系だと
もてはやされたり
馬鹿にされたり
その度に
膨らんで青空を目指したり
萎んで地面に貼りついたり
そんな僕は
サヨナラも言わずに
強制終了された恋を
いつまでも ....
年の瀬戸際につかまって
泡立つ街を浮遊する
地が足につかないような
こんな感じもいいかもね
とりあえず全部棚上げにして
ニュートラルコーナーへ
今なら許してあげるから
本当のこと ....
爪を切る
快い音が響くたびに
日常の縁から否応なく
寸断されていく記憶
苛立ちの16ビートのリズムを
机の上に刻み続けた爪
つまらない照れ隠しに
痒くもない頭を掻いた爪
....
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