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空飛ぶ家の 群れのなかに棲み
扉から一歩を踏み出せずに
眼下にひろがる風と原
飛び交う家々を見つめていた


街 クレーター 街
人と原は円く分けられ
薄い緑に吹かれて ....
水音のなかに
時間が並ぶ
どこを切っても
倒れゆくもの


耳元の螺子
洞の夢
すぎるかたちの声たちが
すれちがうたびに語りあう


勝者も無く花冠は増え
言 ....
木のかけらと
あたたかい水が
午後と夜の境いめに
蒼い浪となり流れ込む


錆は子らの名をくちずさみ
鉱は荒れ野に伏している
陽を転がす指や指
流れの内に華やいでいる ....
夜はうなずく
耳を覆うものは無い
まぶたはうなずく
無音を示す
標にうなずく


紙を捻る
底は深い
骨は痛む
轢かれかけた
指は痛む


白く小さなス ....
ふくらんだ水を光の茎が
幾つも幾つもすぎてゆく
未明を見る弧
水を穿つ小さな火


誰かが径に刻んだものを
何かが触れてはすぎてゆく
粗れた光が歩みやがて馳せ
立ちど ....
暮れのこがねの海岸に
こがねに染まった猿がいて
石穴に石を通そうとしている


街中にはりめぐらされた
ロープウェイの鉄線を
無人のトロッコが走りつづける


 ....
一羽の蝶に
目を覚ます
わたしにはいかずちと
横顔に聞こえる


このかたちは
径のかたち
見おぼえのある
血の内のかたち


響きが響きを
外に追いやる ....
迎えに来たのに誰もおらず
よそいきの顔は漂っていた
見知らぬ仲良したちが
通りすぎていった


じつは夜ではないのです
聞こえないざわめきに
種あかしをされても
どう ....
朝の冠
光なぞる指
覆い
覆いて


凶事とともに
庭に埋まり
花露の熱
打ち寄せる音


寒い光の底から出て
雑な緑を集めている
昼の明るさ
何も無 ....
奥へ奥へ
枝の洞に
鳥のかたちの灯が燈り
迷いの声で話しはじめる


強すぎる光が
目に残すしるし
指が指を
抱き寄せるしぐさ


夕陽を知らない川を
流 ....
雪の失い冬から
あふれ出る道
水の指の軌跡に
遠去かる道


午後を照らす灯
ぬるく星となり
ひとつとふたつの視線のはざまを
音と光を行き来する速さで


冬と枝が ....
余計に見るからだめなのだ
だから
動けなくなってしまうのだ
考えるからだめなのだ
だから
帰れなくなってしまうのだ
すべてが既に
おまえより暗い
人が作った柱の上で
 ....
忘れた夢の方角へ
偽りの指を 手のひらを置く
のりしろ 空白
潮の熱さ


ふかみどり
喉の奥の
ふかみどり
車輪の行方
消えてゆく影


象亀から 布に落ち ....
月のような陽が
雨の奥から見つめ返す
白へ白へ
流れ込む青


冬は冬を巻き
隙間はまたたき
足首の渦 山への径
白く踊る日々


悲しい嘘が
空に咲いて ....
うろおぼえの夜に
指を差し入れ
震えを聴いた
波に従い 従わぬ線
脚の動きを
讃えるまたたき


岩のはざまから
空を視る刃先
曇りと筆
曇り時計


器を ....
どこをどう歩いても
科学技術体験館のなかには
誰もいなかったのに
出口にとまっているバスは
人であふれていた
乗りたくない と言ったら
一人でも搭乗を拒否したら
出発でき ....
空は短く
銀の上に立ち
冬は冬をめがけ来る
次々と次々と突き刺さる
次々と次々と遠去かる


夕陽に押され
倒れる鉄骨
北の北を向いている
冬の指の
影だけが動く ....
人の消えた朝を
獣の群れがすぎてゆく
光は暗く
息は昇る


割れた堤防
泡の色
見わたすかぎり
水は凍る


道は消え
冬は会い
街は震えず
鳴り止まぬ ....
夜の森を照らす川
影が放る光 光
光の轍を曳かれゆく


指の宙
黒い溝
風の下の風
洞を描く


迷いの羽
背中の寒さ
惑いの数だけ
灯はつづきゆく

 ....
雨がやみ
雪になり
枝から径へ
つづく足跡


縄をちぎり
空は帰る
縄は燃える
蒼く 燃える


雪のむこうに
海があり
さまざまな色の火が
流れゆく

 ....
それを動かせば
すべてが動く
山の裏の光
みどりの



冷たい鉱
白は触れる
空とまばたき
つぶらな音


獣を追う声
壁に消える背
夜の径を
透る ....
冬は冬に臥せ
川を見る
灰のうしろ足に咲く
花を見る


滴を追いかける
滴の靴
一閃の
緑の爪


光は光を踏みしめる
氷の上に燃える青
海へ海へむかう道 ....
桃のにおいの手が
空を混ぜて
はじまる


闇のなかを見つめ返す
まぶたの奥の水があり
ひとつの葉に隠されている


海岸と夜
手のありか
通り雨


 ....
岩をめぐる路
月もまためぐる
ひとつめぐるたび
消えては現われる


つむぎ 投げ出し
雨が持ち去る
夜が来ても
暮れのままの息


雨の手足
屋根の ....
かたく包まれたものを見ている
濡らすたびにかたくなり
ほぐしたくてもほぐせないほど
ぴたりとはりつき 包んでいる


水の音がする
さかさまの
水の音がする
もと ....
静かに明るい
夜の午後の朝
ひとつの曇から
すべてはすべてにはじまってゆく


花の窓に映る午後
通りには
黒い服の人々が立ち
じっと空を染めている


路地へ ....
さらさらと
まとわりつくもの
ふりほどかずに
ねむる


首のまわり
言葉と鎧
うなじの角
避けられた 寝返り


粉より大きく
嘆きは浮かび
氷をほど ....
風が途切れ
銀は降り
野に鉱の手を
描きつづけている


冬の雨の指
砂と水滴
夜の右を
ついてくる光


階段は消えかけ
空を指し
夕暮れの匂いが
 ....
樹が樹である理由のひとつ
遠のけば近づく光のひとつ
空の切れ端
うなじになびき


夜と鈴しか通らぬ道に
いつのまにかできた水たまりには
ずっと雨しか映らない
雨では ....
降りつづいては
落ち着いてゆく
肌の裏側
こがねの腺


無い手を透り
こぼれるもの
失くした姿を
響かせるもの


夜の土の上
たくさんの色が話している ....
山人さんの木立 悟さんおすすめリスト(48)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
白と白- 木立 悟自由詩818-2-1
ひかり_言葉- 木立 悟自由詩417-2-22
みどり_うたかた_Ⅱ- 木立 悟自由詩1216-4-6
夜は_歩く- 木立 悟自由詩615-6-15
ひとつ_奏夜- 木立 悟自由詩4+14-8-8
ノート(かたむき)- 木立 悟自由詩813-11-4
こがね_たなびき- 木立 悟自由詩213-3-22
ノート(49Y.5・20)- 木立 悟自由詩212-5-21
無境音叉- 木立 悟自由詩512-5-21
冬と行方- 木立 悟自由詩412-4-25
こだま_かさなり- 木立 悟自由詩4+12-4-7
ノート(夜と鴉)- 木立 悟自由詩312-3-20
7月、8月、9月(黒)- 木立 悟自由詩312-3-15
降る日_降る日- 木立 悟自由詩612-3-11
雨へ_雨へ- 木立 悟自由詩8+12-3-7
ノート(48Y.3・3)- 木立 悟自由詩612-3-4
羅睺震芯- 木立 悟自由詩412-2-21
冬錐抄- 木立 悟自由詩412-2-6
原わける指- 木立 悟自由詩411-12-31
喉を昇る火- 木立 悟自由詩511-12-28
ひとつ_聞こゆ- 木立 悟自由詩311-9-19
ノート(紙ひるがえる紙)- 木立 悟自由詩511-8-30
いない_かたち_Ⅱ- 木立 悟自由詩811-7-21
いない_かたち- 木立 悟自由詩311-7-18
ノート(濡らし_濡らしても)- 木立 悟自由詩411-6-23
ひとつ_うつろい_Ⅵ- 木立 悟自由詩511-6-13
ひとつ_うつろい_Ⅳ- 木立 悟自由詩711-5-26
ひとつ_うつろい_Ⅲ- 木立 悟自由詩311-5-22
宙と姫- 木立 悟自由詩411-4-29
白と歩み- 木立 悟自由詩811-3-6

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