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   あしたの天気予報をテレビで眺め
   ちゃぶ台のうえのビニール袋から
   隠元をとってはへたをとり
   ざるに放り投げてゆく
  
   あしたは夕方雨が降るらしい
   隠元は ....
     木々は裸に剥かれ冷たい風に
     枝先を震わせている
     白いベンチは錆ついて
     今はだれも座るものもない
     緑の葉が深呼吸を繰り返す
      ....
      毎朝冷たい風に吹かれながら
      洗濯物を干すその手は
      ひどくかさつき荒れていた
      誰よりも早く起き
      米を研ぎ、味噌汁をつく ....
      折り紙を折るその指先は
      あどけなく、いつも湿っている
      クレヨンを持つその指先は
      つよさを隠しもっている   
      あした晴れたなら手をつ ....
      
      わたしが歳をとる
      髪は白く
      乾いた肌には
      無数の皺
             
      あなたが歳をとる
    ....
       なんと醜いものだろう
       ただの肉塊であったなら
       赦されたものを
       このなかには
       潜み蠢くものがある
       ....
   
     
       いろんな恋の末に
       じゃがいもが
       えらんだ相手は
       いつも隣りにいた
       にんじんで
        ....
      カランと氷が泣いたなら
      グラスの水滴なぞります
      なにが足りずに欠けるのか
      なにを足せば満ちるのか
      欠けた夜空の三日月 ....
        そら泳ぐあめんぼに
        なりたいと
        みあげるあおぞら
        すいすいと
        雲のなみまをぬってみる
         ....
     右足が重いと
     おもっていたら
     いつのまにか
     根が生えていた
     しかたがないので
     歩きまわる
     根をおろさずに
  ....
       小さなあなたに逢いたくて
       路線バスを乗り継いだ
       海を追って風を切り
       バスは走るどこまでも
       裸足のすがた追い ....
     かぶとむしを採りに行こう
     きみがそう言ったのはいつだったか
     荒れ狂う嵐の正体が
     悲しみだとも気づかずにいた
     そんな夏のできごとだっ ....
        あおい空の向こう側
        彼岸のかなたに届くまで
        大きく大きく手をふって
        元気です、と
        あなたにすべて ....
       冬がひきこもっていた
       クローゼットを開け放ち
       ハンガーにヒヤシンス
       春のドレスが花ひらくを待つ
       頼りなげな薄手 ....
       靜かな小夜の幕が落ち
       氷がカランと啼きました
       喉を刺すのは涙の小骨
       盃を重ねど取れませぬ
       刺さった小骨持て余し ....
      賽の目に
      切りながら
      豆腐一丁ぶんの
      愛がほしいと
      てのひらで
      哀しみが
      揺れる夜

 ....
     鳩子よ

     おまえが生まれたのは寒さの残る
     春と呼ぶにはまだ早い季節だった
     忙しさにかまけ、放置していたベランダで
     気づいたときに ....
            ハラハラサイタハナノシタ
            キンギョハオヨグヒラヒラト
            アカイコロモヲフルワセテ
            ....
      あなたとわたしは一膳の箸でした
      年を経た槐の木から
      それはそれは丁寧につくられて
      生まれたのでしたね
      ある朝 ....
      あなたが浸る湯船にうかぶ
      ひとつのゆずになりたいと
      からだの芯まで温めて
      すこやかなれと
      やすらかなれと
       ....
      草の香りのする夏の夜に
      汗ばむ背中に頬をつけ
      両腕をからめ眠りにおちる
      そんな不埒なことばかり
      冷たい布団のなかで
    ....
   大通りを一本奥へはいった
   ラーメン屋の先の三叉路の角っこに
   その八百屋はあるんだ
   狭い軒先に段ボールが並べられ
   曲がったキュウリや
   太さも大きさもまち ....
だれかの帰りを待ちながら
とんとんとんと野菜をきざむ
だれかの帰りを待ちながら
からからからとグラスを鳴らす
だれかの帰りを待ちわびて
ぽろぽろぽろと頬ぬらす
今度生まれてきた ....
       夜更けに降った雨はあがった
       そらはどこまでも透き通り
       青く高くひかりに満ちる
       さぁ腕まくりして窓ふきをしよう
       透き通るほど ....
               白いハンカチを
               一枚買いました
               うすいうすいハンカチで
             ....
              死んでしまいたい夜に
              みそ汁をつくる
              干からびた大根のしっぽを
              短冊に ....
             あの豆腐屋の
             角をまがったら
             朝がくる
             豆腐屋の朝は早く
            ....
             ささやかれ
             捏ねられて
             貪りつくし             
             おんなは
     ....
              夜空にグラスかかげれば
              茄子紺のよる揺らいでる
              氷の隙間で三日月泳ぎ
              する ....
             

             魂の在りかをやっと
             さがしあて
             もう少し生きてみたいと
              ....
乾 加津也さんの石田とわさんおすすめリスト(32)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
隠元- 石田とわ自由詩9*17-7-8
錆びたベンチ- 石田とわ自由詩13*16-2-22
紡ぐ日々- 石田とわ自由詩17*15-1-20
ふしぎがいっぱい- 石田とわ自由詩14*15-1-15
未来に微笑みを- 石田とわ自由詩21*13-12-4
わたしのなかの- 石田とわ自由詩14*13-11-1
- 石田とわ自由詩13*13-9-22
子守唄- 石田とわ自由詩15*13-6-2
あめんぼ- 石田とわ自由詩14*13-4-20
木々のようには生きられない- 石田とわ自由詩24*13-3-30
バスに乗ってどこまでも- 石田とわ自由詩10*13-3-7
夏の話しをきみとする- 石田とわ自由詩12*13-3-7
あおい空が目に沁みて- 石田とわ自由詩12*13-2-25
ヒヤシンスクローゼット- 石田とわ自由詩12*13-2-24
朧に謡えば- 石田とわ自由詩12*13-2-19
賽の目- 石田とわ自由詩18*13-2-11
おまえに別れを告げさせてくれ- 石田とわ自由詩10*13-1-25
ハルトキンギョ- 石田とわ自由詩9+*13-1-12
一膳の箸- 石田とわ自由詩16*13-1-8
ひとつのゆず- 石田とわ自由詩11*13-1-5
汗ばむ背中と神さまの思惑- 石田とわ自由詩8*13-1-4
夏八百屋- 石田とわ自由詩12*12-12-9
音のある部屋で- 石田とわ自由詩10*12-12-7
背伸びして窓をふく- 石田とわ自由詩13*12-5-12
白きハンカチ- 石田とわ自由詩7*12-2-3
大根が泳いだら- 石田とわ自由詩8*12-1-28
豆腐屋で朝をみる- 石田とわ自由詩12*12-1-25
夜ごと創られしもの- 石田とわ自由詩2*12-1-22
月逃げて- 石田とわ自由詩8*12-1-12
ここに在る- 石田とわ自由詩3*12-1-11

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