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小鳥がついばんだ林檎だけ
落ちずに残ったとき
決してこの世は綺麗なものだけで
満たされてはいない
線路の左側を歩いていくと
虹に辿り着くと幼い頃叔父が言った
母について記すとき ....
つるーっと
玄関から入ってきた
ひとつのボール

丸いな
手にとるわたし
明日は晴れるのかな
お母さん

きっと晴れね
これ水色だもの
受けとるお母さん
夕ご飯は何 ....
そのあと
泣きながら話したこと
そのあと
青い空に憧れたこと
そのあと
たんぽぽの綿毛が優しかったこと


きみが傍にいたこと
本のあいだにしまい込んだきもちのこと
故郷という ....
君の前で
ショーツをするすると
脱げるようになってから
隠すべきところと隠さざる
べきところがわかるようになった気がした

雨が降って
傘を忘れていったことを考えていたときだった
 ....
春を待てば
冬を追いかけることもなくなる
空が白い
雪も
ことばもどこか
白濁するような気がして
ガラスを磨くように
推敲してしまう

幾重にも層ができ
こころの内は形を失う
 ....
透明化された
君のことばは
いつしか
あいに変わっていた
ふゆに舞い落ちる
結晶たちのように
少し儚く
確かにつよい

年の瀬に
告げられた
プロポーズは
大気に漂う冷気で ....
ポケットから
手帳を取り出す手が冷たい
ことばを整理する
その過程で
冷えてゆくものも温まるものもある
あられが窓をしきりにノックする
冬が訪ねてくる深夜

うまれてきたことに感謝し
 ....
書きたいと
ひたすらに願うゆうべに眠る
ことばは
季節を持っていて
と同時に時間も持っている
私はいつも
それらを扱いきれず手放してしまう

夏、は早朝に海に向かって走っている
そう ....
透明な絵本を
じっと見ている子供がいて
クレヨンを持って
かがやいた笑顔をみせる
 (これは何色なの?
としきりに尋ねてくるので
答えに困って
好きな色で塗ってごらんと
うなず ....
乾 加津也さんのかんなさんおすすめリスト(9)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
線路の左側- かんな自由詩16*15-6-18
段差のない家- かんな自由詩11*15-5-10
そのあとがある- かんな自由詩20*13-3-12
約束- かんな自由詩4*12-10-9
星々に促されて- かんな自由詩11*12-2-15
りょう/プロポーズ- かんな自由詩8*12-1-2
冬が訪ねてくる深夜- かんな自由詩16*11-12-3
この夏、このゆうべ- かんな自由詩6*11-7-1
透明な絵本- かんな自由詩33*11-3-16

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