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「ウイグル帽は止めとけ」
砂漠の砂と陽に焼けた案内人は言った
空港の前の道路に立っていた兵士が
死んだ伯父の口調を思い出させる
「殺せ」
そう言われたんや
粗末ななりして、笊持った ....
「はっきりした病気でよかったわ」
すでにベッドに張り付いてしまった彼は言った
顔のつやも申し分なく
話すことも、普段どおり
少し皮肉っぽい物言いも
ことさら普通にしようとしている
....
煮た竹輪と梅干
飯には煮汁が染み込んで
みっともない模様を描いていた
蓋で隠しながら
弁当を食った
級友に見られるのが
たまらなく恥ずかしかった
日曜日も休むことなく
ミシンを ....
再就職先の紹介をした知人に
立派な菓子折りをもらった
上用饅頭が詰まっているものと
内心ほくそ笑んだが
上品な包装を開けてみると
見事な上げ底であった
しかし
饅頭を取り除けた底 ....