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透明な大気に満たされていた
谷あいの小さな あの村に
あたしの夏は いつも帰っていった
斜面のトマト畑で 見上げた空に


悲しみはなかった 日暮れの蜩の声にさえ
秘かに憧れていた  ....
思い出している きみの髪 指先
朝のカーテン越しに見えた マロニエの花が
あたしには似合わない と笑った
「シーツを巻いとけばいいよ」 と言った


ピアノを弾き始めたら
あたしは  ....
まるくなった猫の眼 チャイナドレスの黒い髪
いつものことのように 振舞う
カフェは満員だったけど 手を上げると
席を作ってくれる シェルブールから来たギャルソン


もう 彼の故郷に行 ....
四角い瞳に映る 蛍の軌跡
沈潜した草の匂いに 雨の気配
黄緑の曲線が 野放図に交差する
笹の陰の暗闇で 羊は見ている

静かな黄泉の国で 横たわっているような
喧しい牧羊犬も ここには ....
乾 加津也さんの藤原絵理子さんおすすめリスト(4)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
夏の歌- 藤原絵理 ...自由詩814-7-17
朝のソネット- 藤原絵理 ...自由詩3*14-6-15
ノクチュルヌ- 藤原絵理 ...自由詩7*14-6-12
アリエス- 藤原絵理 ...自由詩814-5-31

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