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{引用=
きみのその
そこはかとないさみしさを湛えた眼の奥の
ひとつの清澄な翳に交わろうとして失敗を繰り返すたび
嗚呼そんな、
そんな姿でよくここまで生きて出会ったねと
喉元を締め上げる想 ....
{引用=
ゆるい傾斜を登ってゆく
幸せそうにショッピングバッグを抱えた女にとって
街が壊れたよるを窓から眺め
水晶の破片が星のようにきれいね、と
うたうことだって可能なのだろうか
その美し ....
{引用=晴れやかな正午に
土砂降りの深夜に
ショーウィンドウ越しにわたしの海辺に寄って
砂浜で輝く貝殻を拾う
追い越して先回りする足取り
空瓶がひとつずつ埋まっていくたびに
はばたきの向こ ....
{引用=
白夜に立ち尽くす
冷えた足取りで
散り散りになった落ち葉を拾い集める
記憶を繋ぐ喪失の季節に
最愛を探す仕草だけが影を重ね
闇を深めてゆく
切り取れば
ひとつの証明にもなりそ ....
{引用=
何かを見出そうとして足掻く
行き着くところは一緒であるのに
違うと、対話する
主観と客観の狭間で彷徨う
科学の発展とともに神秘が勃興したように
絶えず揺れ惑う幻のような実在を ....
{引用=
氷解する
ゆるやかな原理
欲求にも
愛という仮説を立ててみる
、と
広がってゆく
小さな波紋
私は岸辺から素足を引いて
身をかたくする
むきだしの音
やさしい情動の ....
{引用=
どぶ川に棄てられた
あの子はどこへ行ったかな
しろい柔肌を
葉っぱみたいな深緑色にして
ぷかぷか浮いて流れていった
幼い兄妹がそれを指差して口づさむ
(ごらんごらんあれ ....
{引用=
真夜中の森でひとり
花を散らす戸惑いのない指
(中心にある雌しべ)(囲むようにある雄しべ)
(覆う花弁)(支える萼)(茎)(光合成する葉)
すべてをばらばらに並べて
花のすべてを ....
{引用=
小さな籠の中からこちらを見やる
黒々としたきよらかな眼
欲しがる言葉も持たぬ
やわい毛糸玉のような身体を掬い上げ
背筋に鼻先を埋めれば
滴り落ちる真水で濡れそぼる羽
愛すること ....
{引用=
両の手で耳を塞いで
押し寄せる血潮の波の
遥か遠くの音を聴いている
真夜中に
わたしはわたしの体が
排除しようとするものを
いつまできつく
抱き締めているのだろう
....
{引用=
誰かが朝を呼ぶたびに
ひっそりと佇む夜は震えて
おびえる仔猫の背骨は軋む
もう少しだけ闇を含んだ唇で
触れられていたら
いたんで汚れた指先も
傷付けることはなかっただろう
....
{引用=
鬱蒼と茂る羊歯の中で
たどたどしいしろい両手で模型を組み立てる
傍でこちらに気付くのを静かに待っている
挨拶する為に
毎朝のこと、
一度しかない日々で
知るほどに血生臭さく ....
{引用=
図書館へ向かう碧いスロープの
脇に咲く珊瑚の合間を縫いながら
ゆらゆらとスカートの尾ひれを漂わせて
記憶の深海へと迷い込む
見たこともない
七色の藻屑を拾い集め
繰り返し剥 ....
{引用=
消えそうに震える
ほっそりとちいさな肩
けだかさは
すべて死に絶えたのだと言う
おまえに似合う花がないこと
知っていて
それでも探し続ける
青ざめたねがいを
包み込む
....
{引用=
雲烟の中
銀河座標に沿ってゆく
冷たい蠍火
真夏の巡礼
迷うこころが重なってできた
道の途中で
重力だけ頼りに立っている
同じ足で
アクセルを踏む
ラジオから流れる
地 ....
声
八月の
舌の上で溶けてゆく氷
その所作
吐息
歯
の並びを
ひとつひとつ
読み上げる
その要約の中に
静かに埋もれてしまいたい
針を
正午に合わせた時計が
生物的な誤 ....
{引用=
旅群の影に腰掛けて
静かにナツメを噛んでいた
夜露に濡れた
クサカゲロウの卵塊が
孵化した途端
光に溶けて
満ち欠ける月が映る
瞳を抉り出し
過去を刻んだ証人として
....
{引用=
紙上に佇む
痩せ細った枯れ木
磨り減ったペン先がつけた
掻き傷の隙間に
深く根を張るインクの滲み
どこに行くとも
なにを残すとも
示さぬままに
埋まってしまった行の終わりの ....
石川敬大さんの高梁サトルさんおすすめリスト
(18)
タイトル
投稿者
カテゴリ
Point
日付
分光
-
高梁サト ...
自由詩
5
11-4-29
何も特別なことなど起こらなかったように
-
高梁サト ...
自由詩
9
11-3-19
シンクロニティ
-
高梁サト ...
自由詩
12
11-3-7
スローダンス
-
高梁サト ...
自由詩
5*
11-2-23
選ぶ、捨てる、
-
高梁サト ...
自由詩
3*
11-2-21
こい
-
高梁サト ...
自由詩
9*
11-2-9
魚の子
-
高梁サト ...
自由詩
10*
11-2-2
明け方のクオリア
-
高梁サト ...
自由詩
10*
11-1-25
きよらかなめ
-
高梁サト ...
自由詩
7*
11-1-24
泡の花
-
高梁サト ...
自由詩
8*
11-1-23
旅路
-
高梁サト ...
自由詩
7*
11-1-20
朝は見知らぬ人のきみ
-
高梁サト ...
自由詩
4*
10-11-25
人魚の名残
-
高梁サト ...
自由詩
14*
10-11-8
朝、まばたきの露の
-
高梁サト ...
自由詩
8*
10-11-5
遠吠え
-
高梁サト ...
自由詩
9*
10-8-31
狭間に住まう声
-
高梁サト ...
自由詩
12*
10-8-15
ルシア811
-
高梁サト ...
自由詩
21*
10-7-5
6月の海
-
高梁サト ...
自由詩
22*
10-6-14
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