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今はもう忘れてしまったけれど
たったひとつ、
おぼえているものがあるとするなら
朝の理科室で
フラスコに入れた無色透明な液体 ....
捌け口などではなく
寧ろ塞ぐ何かを求めている
出し切ることの必要性と、
止めることの必要性が等しく比例したときに、
手放してきたものへの容赦がはじまる

いたわるように
過去 ....
確たるものばかりを求めていた
砂つぶてにしかすぎない自分に気がつかなかった
凡庸な日々に
埋もれ死んでいくのが怖かっただけだった
この歯を、
この腕を滅した理由を未だ知らない
診断 ....
薄暗い蛍光灯の下
酌み交わされる連夜
求める度に沈んでいくアルミ缶の蓋の底は
小さな深い闇

時折、
淡い春風が吹いても
そこだけが時が止まっている
空の缶と空のグラス
窓越 ....
到達出来ない極みがある
それは遥かなる山上の氷のなかに咲く花のように
近づこうとして
近づいてはいけない

わたしは、
ビニール袋を口にあてがう過呼吸症候群患者のように
こと ....
忘れているものが思い出せない
そんな毎日が続いている

わたし以上に、
大切なものがあるような気がして
胸の奥が落ち着かない
賢明ながらも堕落した生活に終止符を打ちたい

十六 ....
雨のように止まらない衝動が
打ち砕くことばに
寄り添うのは自虐の情

人はいつも、
何かを忘れている、

組織でしか求めない行為というものは
何ものでもない怠慢の極み、

人は、
 ....
夜のわたしは
太陽のうしろで一人
藍色の鏡を抱いて泣いている

眠るように
唄うように

仄かに輝くことしか
ゆるされないわたしは
信ずる者は望まない

猫のように
従順ではな ....
赤い熱と
青い熱の交錯に立つ

在りもしない雨音
流れてくるものさえも信じない左手

夢を、
夢物語と終わらせない揺るぎない夜に
何が云えようか

約束はいらない
嘘に終わるくら ....
どこかで
見たことのない
同じ夜を告げるのならば
眠らずにいよう
刹那の翳りも惜しまずに

空が目を覚ますまで
満ち欠けを繰り返し
地上を見つめ続けるのは
この世界の何かが

わ ....
灼熱の片隅で
擦れ合う声とこえ
喧噪が
水のように
ふたりを追いかけてくる

ことばが
喧噪に濡れながら
絡みつく薄い皮膜
喧噪が証明する
わたしたちは一人という事実

けれど ....
刹那の隙に覗く空も
今日は鈍色
目を閉じても
訪れない森のなかで
息をする音を探す

何かを発したくても
伝えられない感情が
冷たいシーツのなかで
絡まり縺れ合う

感情だけが
 ....
石川敬大さんのあおい満月さんおすすめリスト(12)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
『枠のなか』- あおい満 ...自由詩12*12-2-11
『帰依する力』- あおい満 ...自由詩411-4-3
『沈む月』- あおい満 ...自由詩311-2-20
『早春の夕』- あおい満 ...自由詩5*11-2-12
『氷のなかに咲く花』- あおい満 ...自由詩4*11-2-6
『ピアニシモ』- あおい満 ...自由詩610-12-5
『予測』- あおい満 ...自由詩210-11-14
『下弦の月』- あおい満 ...自由詩4*10-6-30
中錯- あおい満 ...自由詩2*10-6-29
『月は眠らない』- あおい満 ...自由詩5*10-5-11
『喧噪』- あおい満 ...自由詩9*10-5-8
『鈍色』- あおい満 ...自由詩3*10-5-4

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