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ひしゃげた白い空に
ひしゃげた日暈が架かっている

とりどりのチューリップは群れ咲き
金属的に笑っている

その笑い声の中を
黙示録に腐蝕された心臓がひとつ
歩いてゆく

果たされ ....
目を閉じて
果実たちの歌をうっとりと聴いている君の午後
に あたり前の登場人物のようにとどまっていたいのに
何故だろう砂のようにこぼれてゆく僕の輪郭
すっかりこぼれてしまう前に
君に気づいて ....
そして今年もまた夏が此の世を
残酷に覆い尽くしてゆく
夏は光と影の鋭い{ルビ刃=やいば}で
其処彼処抉り取ってゆくから
見渡す景色は狂おしいほど彫り深くなり
抉られた処から噴き出すように
 ....
ふたり歩む小径にも
ふたりくぐるアーチにも
薔薇たちは咲き誇り 香りはあふれ
胸の想いも 互いの声音や眼差しも
薔薇の魔法を帯びて かなしいほど甘やかに染まり
この園がいっそ迷宮と化せばいい ....
石川敬大さんの塔野夏子さんおすすめリスト(4)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
春の午後- 塔野夏子自由詩7*11-4-15
君の午後- 塔野夏子自由詩7*11-2-11
夏_極- 塔野夏子自由詩5*10-8-7
薔薇園- 塔野夏子自由詩12*10-5-29

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