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ぼくも夏毛になりましたって そんなアホな
暑中お見舞い申し上げます たま
雨の日はほら
また寝ぐせがついてる犬のひげにアイロン だめかしら
どしゃぶりの雨の中しつこく猫をさがす犬 ....
{引用=
朝露が、透明に落ちて、
ガラス玉、
ふりそそぐ、すべてのことに、
驚かないで
あの高台にたたずんで、
きみが眺めていたものがなんだったか、
それをたしかめるため ....
僕はまだひとりぼっちを探してる夕暮れ帰る道の途中で
一番星ジャングルジムのてっぺんで見上げた空はなんて大きい
懐かしいあの日のメロディくちずさむ二人の影が夕日に揺れて
黄昏はいつでも ....
箸置きに次元をかえて架ける橋 転がる二本の非常階段
きみの手のあやとりの糸たぐり寄せ真水に飛び込む指を絡めて
爪先もまなこも縦に尖らせて剥がす鍵盤しろいとこから
....
弁慶に
奪われるもの なにもない
五条の橋で 中指立てる
雲を問う風のゆびさき振り向いて頬をかすめる秋はひそかに
かなしみもよろこびもただ共にあれいとしいといってまだ青い林檎
まなざしに目を手のひらに指かさね日々を夢みる風さえつれて
....
私を叱った検察官と町で会う向こうは私の顔を忘れて
勉強の合間に聴いた音楽と外を吹く風重ねて聴いた
駅前を歩く猫がさっと走るそういう感情がふと湧いてきた
思想からさらに思想へとはしごし ....
なきながら翼広げる影のあり雲間にもえる鳥のまぼろし
胸破り飛ぼうとするか呼子鳥光を背負いこだま待つ空
その薔薇を朱に染め抜いてわが小鳥囀る歌よ棘も忘れて
夏至の夜火を飼い ....
淡雪は炎のように降りつもりきみの素肌の灼熱を知る
凍蝶の滑り落ちゆく黒髪にかかる吐息は結晶化して
性愛の天を凌いで伸びる蔓 凌霄花は空にまみれ ....
産まれ生き苦しみそして死んでゆく
たった一行闘病短歌
日赤の病棟入り口掲示板
嘆歌とあって朝顔も書く
これからは口語短歌の詩人です
出来損ないの痛みを堪え
銀色に輝け外科 ....
どこまでも果てしないブルー憧れは波の彼方に今も揺られて
水平線沈む夕日を背に受けて終わった恋を海に葬る
悲しみは寄せては返す波のよう真珠の涙{ルビ零=こぼ}れたままで
今もなお忘れら ....
ピラミッドみたいな形の倒立を 目を皿にして隈なくみてる
血まみれの夕焼けぜんぶ呑み込んで(みない、いわない、きかない、しらない)
帰ろうとしている影が剥がされて/いつまでも帰ろうとしている ....
ぼくはまだいちご泥棒と眠りたい置き忘れたものばかりの園で
衝動を積み上げていく指先に梶井のレモンわたしのオレンジ
気だるさはインクに滲み水底の青い散文髪に絡まる
....
肩書きは「青い新宿回遊魚」まだあのひとはいますかここに
膝を抱き「東京事変」聴いていた人恋しくてベゴニアを買う
束縛を嫌いみずから糸切れば動けなくな ....
缶切りで鯖味噌缶を開封し背中まるめてわぶわぶ食べる
薄荷飴ひとりで舐めてさびしがる君のことなど想ってみつつ
朝刊の明朝体が目に刺さる夜明けどこかで鳥が鳴いてる
晴れた日の午睡が好 ....
シャガールの恋人たちよ天蓋に夜を満たして水浴びしなさい
留守にして帰り着いたら生き延びた薔薇が幾つも咲いていました
ビッグバン、インフレーション自鳴琴の箱を開いた誰かがいました
鎌倉 ....