海の近くに本が落ちている
頁をめくると
漁師町の屋根はどこまでも続き
伝えたいことは
すべて終わっている
誰に叱られることもなく
海鳥が飛び方を記憶している
ふるさとが肺を患い
転移する酩酊は
葉桜の色をねぶり
胃壁を食む、蛇が
赤い絵の具を射精する
その、ぬけがら、父の唾液
残滓に海の香り
帆を張る空に
幼い、空腹を晒す

鉄橋、どこ ....
エーゲ海の猫になりたい 君に飼われたい しろめたい、
足元のタイルを白に染めたい、
子猫の日々を大事にしたい、
実のない言葉を置き去りにしたい、
叶わぬ希望を箱につめて海にぽん、

しろめたい、
シロツメクサを踏みたくはない、 ....
さざ波の僅かな飛沫さえ愛おしい
春から初夏への道のりは
小舟で海を渡る様に
儚くも危なげなモノ
飛べなくなったイカロスが クス、と笑う
白のシャツと海と小さい波が
あなたには とても似合う ....
あきれるほどに雨
先だけが浸って
とがるように空

かかとを浮かして歩くには
すこし酔わなきゃいけなかった
街の風はわたしたちをさらうから
ぬるくて無神経で
とてもちかしいものですねって
みんなでや ....


幼い頃、「またあおうね」の挨拶は会うでも遭うでも逢うでもなく
すべての可能性を包括していた

loveにもlikeにも捕われず
すきだとささやきたい

漢字とカタカナとアルファベ ....
頭をわれば
中にはまだ
あの頃のものが
ある気がする


うわべ、ひょうめん
はりついてひふになったおだやかさで
しあわせをかみしめて今日も生きているけれど、
わたしの、なかでふ ....
やんだ、やんだわ、おうとうと、おうとうさんの、おうと、あれ首、
ほうどううきょうう、こううきょうか、きょうきょうう、しきょうう、

おかうさん、みちはたにゆりをすてないで、
ああしはみちみちひ ....
 
 
生温かいザリガニが
真夏の都会を歩く
いたるところから車や人や
ラッパの音が聞こえてくる
そんな暮れ方である
炭酸水を買ってくるように言われ
下働きが走る
近道のフェンスを越 ....
水槽をぶん殴る女の子
届きもしない 白百合の揺籃
録音された声が漂う館内
あの子の死んだ声帯

―――わたしの髪は鉛のように重い
――どうかどうか泣かないでいて
―いまから眠る/共犯者で ....
棺の風呂で呼吸をする
革命児がうまれた 分娩室
「着床したころが懐かしいね」
「枕もとにクッキーを置いて夢をみた人のことも」
直に循環アダプターと排水溝は痩せるのだろう
タナトス ....
こんにちは。詩のレビューをやっている者です。

これまでにいくつかレビューを書いてきました。それを見た人が「こんな
のでいいならおれも書けるぜ」と思い、にわかにレビューが盛り上がる!
というよ ....
はこがまえ 挙動ふしんの空白は ふれない頬とほほの衝突


金よう日、ラジウムみたいに放射して裸子植物を食む子にもどる


黒鍵を人差し指と薬指で押さえたらいちめん緑


点描の夢を ....
せんせいの言いつけ通り
いちにちに三度
色とりどりのくすりを飲んでいます
そのせいか
痩せこけたカラダもふっくりとし
わたしは死ななくなりました


(服用後は車などの運転をし ....
音のする方へ
感覚を伝わせて
光の曲線を描きながら
死んでゆく触媒

優しさを色で現すのなら
あかみどりを推奨する訳は
血液と瞳の
色だから

空気が凍りつく夜に
童話のよう ....
灰色の風が
冷え込んだ甘い匂いに吸われてしまう
電車の窓ガラスも
街路樹を伝う宵闇も
一本の薄いストロークにのって
色落ちしてゆく

弓のぼやけた冠を
空におくり

人びとは門を閉 ....
 
 
友だちの家に遊びに行った
門のところで、久しぶり、と挨拶されたので
久しぶり、と答えた
もてなしてくれるのだろうか
和室に案内されて
お茶とお大福を振舞ってくれた
正直な話、あ ....
泣いてる少女の頭上に灯る
青色発光ダイオード
泣いてる少女は轢かれる少女
赤色発光ダイオード

わらう少女は哲学わずらい
大事なことまで四捨五入
わらう少女はおかしな少女
死んでといっ ....
雨に濡れた明朝体のような
あなたのてのひらで
さやさやと海をやどす桃の実と

どこからか
うちよせる
まひるまの
葬列

泳げないわたしのために
あなたが桃にナイフを入れるたび
 ....
豆腐屋で静かに足を洗う馬


さみしいと言う砂壁の砂になる


目がくぼんでゆく穴の中にこども


嫁ぎます重い方のつづら持って


嫁ぎます一番軽い首持って


紙コッ ....
すっと け
はれつおんがきえていく
バランスくずしてなしくずし
なしくずし
ゆずはちみつ
かんどられたサワー
なまえを

よろしく、
あとでまたはなしましょうよ


とうして
 ....
冷えてうまれゆく朝を
一人でみていた
生ぬるい夜を
壊される秋を
一人で

かなしみは
受け止めることも
受け流すことも
包み込むことも
捨て去ることもできない
そのかなしみ ....
 おんなが死んだ。顔のない恋人だった。
 ミルクを垂らすと、時計まわりに渦をまいて死んでいった。
 まんなかにあいた穴が部屋に生息していたものたちをみな吸い込んでしまったので、おとこはだれとも会話 ....
夜を解体するあなたの腕が、こまやかに分たれて腐食していく、長い髪が放射状に散らばった水面に、月がぬらぬらと白く光っている、その胸に穴があいて、ぽこりぽこりと音がする、潮が満ち、その陰でひそやかに花がこ ....  
 
昨晩、言葉をひとつ忘れ
人との会話がおぼつかない
壊れてしまった
ジュークボックスのように
 
直射日光に溶けていく日傘や
くもの巣にかかった小さなプロペラ機
そんな類の話を ....
 
 
グレープフルーツの皮膜に包まれて
団地のベランダなどから
沈んでいく
この町には地図というものがないから
日陰を歩いているだけで
まれにこのようなことがある

セミの鳴き声が ....
{引用=

朝踏みつけにした
雑草の類が
帰宅したわたしを出迎える
見たことのない色を咲かせて

そういえば今日は蟻の行列をかわして
いくつかの水溜りで足を汚した
後悔しなくて済むよ ....
(雨に濡れた明朝体のようなてのひらで羽だったあたりをなぜてください)

水のない水底で背びれをあらいあう僕らは人にも魚にもなれずに

「この鱗あなたにあげる。ともしびをわすれた夜のともしびとし ....
どこかへ詩を読みに行ってつまらなかった。なんて当たり前すぎることで、そういうのをいちいちクサすのはもうやめにしよう。っと20歳のときぐらいにおもった。残念な詩に遭遇するなんてことは、もう、夏があついぐ ....
りこさんのおすすめリスト(92)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
simple_plan2- たもつ自由詩1214-3-24
ぬけがら- sample自由詩513-9-7
エーゲ海の猫になりたい_君に飼われたい- 北大路京 ...自由詩11*12-12-21
しろめたい、- ふるる自由詩6*12-10-26
はがゆい- 岸かの子自由詩5+*12-5-25
春雨- あぐり自由詩612-4-12
ひらがななおもい(1/2)- 73自由詩912-1-6
みずのはる- あぐり自由詩611-9-4
あれ子- 古月自由詩4*11-8-11
都会の暮れ方- たもつ自由詩911-7-2
夏の水葬館- ayano自由詩811-6-11
双子の致死量- ayano自由詩911-4-19
【批評祭参加作品】レビューを書かない7つの理由- 露崎散文(批評 ...18*11-3-6
とりのは- ことこ短歌510-12-21
お弁当箱- 銀猫自由詩20*10-12-21
あかみどり- ゆるこ自由詩810-12-20
甘柿- しべ自由詩510-12-19
おもてなし- たもつ自由詩1110-12-18
いつまでも青信号が点滅しているみたいに- ピッピ自由詩510-12-18
葬列- 萩野なつ ...自由詩1510-12-10
だんだんきつくなって幕- ふるる川柳9*10-11-29
解_体_サ_ワ_ー- さわ田マ ...自由詩410-11-24
一人でみていた- はるな自由詩410-11-18
ねじ穴と球体- 魚屋スイ ...自由詩810-11-6
散華- yuko自由詩410-11-4
部品- たもつ自由詩710-9-25
グレープフルーツ- たもつ自由詩310-8-15
夏枯れ- 黒木みー ...自由詩510-8-7
東京人魚- 萩野なつ ...短歌610-8-6
おまえのお気に入りをおれによこせ- 露崎散文(批評 ...2310-8-4

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