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南西
紅い沼
ヴェントリン

秋色
誰かの禁断症状
不潔な針

バスタブの汚れ
落葉色の血
アスピリン

惨酷な唯識論
震える轍


シリンダーヘッド ....
-G・Tへ捧ぐ -



子孫よ 
白い鍵盤が赤く汚され 
衛生兵が興奮剤に溺れる時
歴史ある一族の名のもとに お前たちは 滅びる


旋律が止む
静寂
銃声
 ....
無色の眼光に崩壊した空は いまだ自転の歯車を回し続ける 
微かに揺れている 渦巻いた日蝕の環に 写影機は 操られている
非具象絵画が 乱雑な閃光に 連写される
既に太陽と月は 暦を稼 ....
黒目を搾って炭化した果汁の渋味を垂らして
滝のように濡れてゆく白い部屋を睨み
眼光の輝度を上げて透視力を発揮しろ
眼球の白に血走る毛細血管を密集させて開拓してゆく
暗室に舞い降る ....
イカロスを真似た子
雪の夜の中 羽ばたいた


ガスマスクを着けた執刀医
薄緑の七つのライトで
その子を見つけて
火炎放射器で 射ち落とす


左腕と右肘 右半身から火をあげて ....
素早く黒く内転する北風。 


見え隠れしている
耳と口の部品である言葉の
調律が乱れたままの
時の音階。


銀と黒の液体が出会う不純なる海峡
沸き立ち割れる泡の痛み
混合 ....
緑青の浮いた青銅の像が喇叭を吹いている
悲嘆の打ち寄せる波辺で

血塗られた大地 血塗られた海洋
血塗られた大空 血塗られた太陽
血塗られた系譜 血塗られた血縁
血塗られた舞踏 血塗られた ....
赤い落葉が 黄金の光に満ちた梢の先から
分離する その瞬間美の連続


細胞核が熱を帯びた怜悧 
冴えに 一斉掃射される


ざわめく毛穴 震動する皮膚 揺れる骨髄


大脳 ....
ぼくの中の 罌粟に酔って眠っていた人魚が
目覚めて 今 
ぼくの中を広々と 悠々と泳ぎ回る
そして彼女と入れ替わりで ぼくは罌粟に酔う

彼女の航跡は 蒼く甘い帯になって
ぼくの帯熱を 暖 ....
捩れた煙草の空き箱の傍で
うずくまって眠り続けていた夕顔が
霧雨に揺すられて
今 目覚める

目覚めろ もう一度
果たせやしない使命
霧露に溶かされて
もう一度

こわれたヴィオラ ....
土色に枯れた千の蛾が部屋を覆い尽くす
それに 白粉の殺虫剤を 噴きかける
ぽそぽそと 大小の蛾が 落葉になって
床に重なると 兄さんが 粉で真白の瞼を擦って
真赤な涙を垂らしながら言う
「一 ....
濡れた鋏の翼で ブリキの鳥が
夜を 透明に 幾重にも 裂いてゆく


路上の暗がりの奥と 知覚の裏側に
魂が 横たわって 繋がる 
そこに
黒い向日葵が咲き
黒い獅子が眠る
白鳥 ....
延々と旋回して ぼくらが密集するのを 待っている 
銀の鳥群
あれは 狩りの前の儀式


狩る側も
狩られる側も
祈っているんだ




戦場へ行こう
両親を想って  ....
ああ・・・ きみと 
ぼくの絆が 常世にあることを
罌粟が流す 白い血 その血判として ここに記そう 


そう
自我を 神秘化学的に汚辱しよう 
そして溢れて落ちる 自我の原子 
 ....
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