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{引用=
心の 光合成らしきものを
うしなった日


一人掛けのテーブルに
書置きをのこし
家出する




…そこは、街路のきえた荒地
枯れ葉が、錯乱したさき
風の音に ....
{引用=
糸を吐く
吐きつづける


安住する繭を紡ぐためでなく、


時は、裸形の
いつわることのない
思秋期


無月の夜に さまよい
眠りにたゆむ街に
星の つつし ....
{引用=

詩を詠むように
風を読むものたちがいる


読経の声
いや、それは蜂の羽音にも似た
風だった


見上げれば、しばらく忘れていた空が
いそぐ雲を 連れ立ち ♯

 ....
{引用= 
御控えなすって 

御控えなすって くださいませ


さっそく御控えくださり ありがとさんで ございます

軒下三寸 液晶一面 借り受けまして

失礼さんに ございます ....
{引用=
風のなか
春を{ルビ期=ご}す
ヴァイオリンの音が澄みわたる

重い冬の(に)
戸をおおきく 開けひろげ
はしり出す
雪が 光がはねるそのただなかへ

空はなまり色を置き ....
粉のような雪がふりだした

ながめるだけの 白い景色は、
確実なうつくしさと 堅実な
冷たさがある


雪はもう 私の部屋のなかにも
積もり始める
だから
私は、
青い柄のスコッ ....
‐‐‐‐ 悪いゆめより その魚は生まれた 


風は
葦原のなか
{ルビ老女=おうな}が こっくり
こっくり
囲炉裏に ゆれている


それは、川瀬の流れに ながされ ながされ
 ....
Agains 

今年はじめての 雪でした
足の下に さくさく 
冬の音がする

雪のつめたさに
舌打ちしたり
みなが冬をきらうから
少しばかり 冬は意固地になっていたりするのです
 ....
{引用=
長らくご無沙汰しております


 要に結ばれた 松の葉が
 はらはらと舞っていたりするものですから

この世で添い遂げられなかった二人の 死骸の群れのように思え
いたたまれず ....
{引用= 

口を噤んでいたユリの
吐息はひとつ
羽衣をひろげるように
つぼみを といた
 

消え去らぬ
心の蒼いしおりを 想いださせる
白い芳香


純心を乱す 花のかた ....
女の値段は、4000エキュだった
それが高いのか 安いのか 分からなかった
でもそれは、今では 問題にもならないのかもしれない

女の背には、遠くに橋があった
黒い森を つないでいた

 ....
男の話



浅くなった眠りの中で
蹄の音がしていた
となりで眠っていると思った男が
雌の鹿だといった

森の
そんな においのする男だった

神さんの住むという深山の
山間 ....
眠りによりそう
咲きおくれた百合の白い想い
写真のなかにおさまったあなたは、
昔見せた笑顔のままで
私をみつめる


じゅうぶんに苦しんだのですから
もう休んでもよいのです
生き ....
弟ガイウ
母ガ癌ダト
マルデ命ヲツカサドル神ノヨウニ
母ノ余命ハ半年カラ一年
私ハワライナガラ
ソレヲ知ラナイ母ニ
来ルコトモナイカモシレナイ
来年ノ旅行ノ話シヲシタリスル
海ヲ渡ッテ ....
夏空からのさそいは、
手にあまる 光りの束

私は私が赤く錆びてしまわないように
少しばかりいばった母親の顔になって
子供達の好きなパンを焼く
summer’s kitchen

女の ....
もう着るものかどうか、わからないけれど
さらさら、木綿の肌に触れる

待ちうける その時の
今 やってきた季節のさかりに
たくさんの声がする
行こうか/行ってきます/行くよ/さあ
い ....
静かの海
ここはどこまでも静寂な 砂がさらさらと、
乾いた想いを落としていく
初めて出会った日を思い出しては
ナトリウムの大気に
耳をすませる

小さな部屋で聞いた
パステルの紙を走る ....
{引用=

眠っているあなたに ささやきかける
海峡の海鳴りがきっと
霧のような不確かな、消え入りそうな言葉を運んでくる
小さな螺旋の都に吸い込まれるように
淵をなくした深淵へと
言葉な ....
salcoさんの月乃助さんおすすめリスト(18)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
青いひつじ- 月乃助自由詩8*13-11-29
永い糸- 月乃助自由詩8*13-11-10
フォルテの風- 月乃助自由詩9*13-5-24
詩人口上- 月乃助自由詩1213-5-9
the_spring_in_Tchaikovsky_viol ...- 月乃助自由詩6*13-3-1
ポトフ- 月乃助自由詩9*13-2-18
耳のない魚- 月乃助自由詩1412-12-26
FinAgains- 月乃助自由詩7*12-12-1
秋の便り- 月乃助自由詩13*12-11-15
失楽の花- 月乃助自由詩10+*12-9-14
女のあたい- 月乃助自由詩8*12-4-10
私ごと- 月乃助自由詩711-11-23
陽だまりに- 月乃助自由詩21*11-4-2
- 月乃助自由詩1211-2-26
さくらんぼ- 月乃助自由詩14*10-8-21
夏のゆかた- 月乃助自由詩8*10-8-5
静かの海- 月乃助自由詩18*10-7-24
ウミネコの部屋- 月乃助自由詩17*10-3-8

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