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(汽車は鉄橋を渡る)という詩を読んだ時 
僕の乗る列車はまさに鉄橋を加速して
大きな川を渡っていた 

人生には時折、そんな 
場面と場面の符合する 
シンクロニシティがあらわれる 

 ....
つよく握りしめていた 
拳を、そっと開いてみる 

この掌は、いつのまに 
透き通ったひかりの泉が湧いてくる 
不思議な器になっていた 
在りし日の詩人が仲間等と 
文学の夢を語った赤煉瓦のCafeで 
独り一篇の詩を綴るひと時 

当時のマスターが 
詩人へ送った葉書のコピーと
花束を捧ぐ想いを込めた詩を
重ねて
鞄に ....
鬼に視える人の瞳をまっすぐみつめ 
全ての仮面を剥ぎ取る時、そこには 
両腕を広げて頭を垂れた人が、澄ん
だ瞳の奥からじっと私を、視ている 
君よ、忘れたもうな 
いかなる時もあかい実を{ルビ包=くる}む 
透きとほった 
ほおづきの殻のあることを 
ほんとうに心配なことは 
まるごと天に預けよう 
あまりに小さいこの両手は 
潮騒を秘める貝として、そっと重ねる 

 
試合前の練習中 
選手たちにノックしようとしたら 
突然彼は胸を抑え、 
バットを握ったまま
グランドに倒れた 

担架に寝かされ、救急車で運ばれた彼を 
原監督が、チームメートが、ファ ....
忙しい日々のレールを脱線するように 
不意に訪れた長い休暇 
病室のベッドに横たわる僕は 
窓外に立つ 
独りの樹の葉群を躍らせる 
風、を視ていた。 

( きらきらと、協奏曲の奏でる ....
高梁サトルさんの服部 剛さんおすすめリスト(8)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
シンクロニシティ_- 服部 剛自由詩211-10-13
掌の器- 服部 剛自由詩611-10-11
詩人の夢_ー神保町・ラドリオにてー__- 服部 剛自由詩411-5-24
無題_- 服部 剛自由詩111-2-4
殻_- 服部 剛自由詩610-11-1
貝の祈り_- 服部 剛自由詩610-9-28
殉職した野球人に捧ぐ_- 服部 剛自由詩510-4-9
海の音楽_- 服部 剛自由詩910-3-7

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