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三日月の先にしがみつきながら
私 何がこわかったんだろう
考えに夢中になって 手を離したら
頭からおちながら 見えた風景
山沿いの小さな屋根
箱みたいな家の
中にも人が住んでいるの? ....
雨が射抜いたまだら模様の私が
顔のないまま通り過ぎていった
3月の雨は まだ冷たい
たくさん着込んでいるのに
袖口から 襟首から
風も雨もはいってくるから
ふたつの目を開放して 送り出 ....
延長コードをひっぱってきた
先はどこにあるのか知らない
足りない気がしたから充電したいんだ
長く繋がっていることで
安心できたけど
先はどこにあるんだろうと不安になった
見えないこ ....
給食費を払いたくない親がいるらしいけど
その子供は大食いらしいよ
なにより給食がすきなんだって
おかわりっていう声が明るいんだって
教室とろうかの隔たりが なくなって
オープンスペースに ....
絵筆のように
まわす心の先端は
ノオトの広場を走りながら
願いみたいな軌跡をひいてゆく
夢中になってるように見えて
踏まないようにしてる
だれかの過去
ならぶことを拒否する命にも ....
おやすみ
ゆっくり休んでね
そういってもらえたらなぜ安心するの
おやすみ
いい夢みてね
そういってもらえたらなぜ見れそうな気がするの
たとえひとりの部屋でも
おやすみ ってつぶや ....
胸に痛みが走ります
もうすぐ人間になるのかな
それともあの空の星屑に
今日こそなれるのかな
傷付けた人との思い出に
また 溺れそうになってるよ
それは優しさじゃないことを
知っている ....
もったいつけてみたのに
りんごは赤かった
むいてみたら白い肌があらわれた
赤と白のはざまには昨日があった
とまどってみせたのに
だれにも発見されなかった
土色の顔には夕日は映えなかった ....
斜めがけしたかばんの中にいっぱいつめた希望は
重すぎるからがたごといって僕の首をしめました
電車の窓をあけたくなって
黙ってあけてみました 外の
景色の一部がはいりこんできて
だれかを連 ....
目から水分が流れ出て
喉がやたら渇いている
夜だからか
夜の傾斜が この喉へ突き刺さるせいか
星も月もまばゆい
地面から真っ直ぐのぼってゆく生命たちよ
お前たちはなぜ迷いがない?
....
真っ暗な空に
両端が刺さりそうなぐらい尖った
三日月が横になっていた
なぜか 両側に霞がかかっていた
あれは だれかの曇った瞳なのだろう
心の4番目のドアをあけて中のものをぶちまけたよう ....
行方知れずの星を
また探しにゆこうか
今日は君と一緒じゃないけれど
いつもの道へ
渡る橋はもうかかっている
ひとりだってこわくはないよ
君はそういって振り向かずに歩く
音をたてずに君 ....
うまいヘタでいうと
生きるのが
ヘタなほうが 正解だ
大失敗なら 大成功だ
うまい生き方すると
最後にリセットされて
振り出しに戻るようになっている
うまいヘタでいうと
生きる ....
失敗したことのひとつひとつに
ラップをかけて冷蔵庫にいれる
だって 乾いてしまうから
何度言わせればわかるのって言われるから
言われるたびに筆箱にいれる
だって忘れっぽいから
怒ら ....
あなたは私のことを想うというけれど
私は 私だけを想ってたいの
あなたが私を想わなくなったら きっと
さみしいに違いないけど
私は生きれるの
ずっとひとりでいたいから
だれかに寄りか ....
あなたがおもうほど私
不幸に育っていないから
私を不幸な子だと呼ぶのは
やめてください おかあさん
あなたがかんがえるほど姉は
困ってなどいないから
知恵が遅れていると
泣かないでく ....
ガラガラか
もしくは ぐあらぐあら かもしれない老人の
荒れた咳払いがする
すすけた匂いがする
ここは 老人の街
若者は ばかものだなんておっさんが言い
しにかけって よばれているのも ....
にんげんの主食はにんげんです
人を食って生き延びています
にんげんはにんげんを探し
食うために挑んでいきます
たまに気に入って
持ち歩いたり
数回に分けて食べたりします
飽きたら ....
ごめんね と
言うためだけのごめんに
意味は無いような気がして
ごめんなさい
と言ってみるけれど
自分の中の洞穴から
寒い風しかでてこなかった
なのに
あなたは
い ....
子犬が母犬にじゃれる様子が
かわいいというあなたをみる私
あなたという母親を見る娘の目で
あなたが私を生んだことは確かですが
私は私の意志で生まれたんですと
いう機会はない
あなた ....
生まれる前日の私は
今日の日のことを知っていた
今日に憂いて泣くことを
先に私は知っていた
愛を求めて痛むことも
求めぬ愛に泣くことも
先に私は知っていたのだ
父よ母よ
あなた ....
だれの悲しみも
きっと癒せない
アルファベットは知ってはいても
心をうつ
その言葉の意味をわかって
この言葉は生まれないの
だれかのために
うたうことはない
そうだと 言ってしまっ ....
音が無いのならば創ればよかろうと
できた文字を束ねて音を組み立てた
私は音に勝つのだ
熱さえも生まれるほどの熱意をもって
ひびけ ひびけ 私の文字よ
りんと 鳴った ぐわわわわわ ....
月が大きく自己主張した夜
私の家出はまた延期される
わかっているのだもの
どこへもゆきたくはないと
見知らぬ男の両の足の間に置かれ
身動きとれない それが
子守だと知ったのは母の笑い話 ....
梅の花がふくらんだよ
家族みんなでみにいった
あの梅の花が
山あり谷ありと いうほどでもない傾斜なのに
つえをついたおじいちゃんやおばあちゃんを
誘導する母や父には 救助隊みたいな緊張が ....
はさみで 心を切り裂いて
あなたに半分あげるから
あなたの 半心くれませんか
どうせ
半分以上 あなたでいっぱいな私の心
あなたの空白は私で
きっと埋まっていないから
見上げる夜 ....
流した涙の数だけ 強くなれるなんて
うそです
うそです
苦しんだ後は救われるなんて
うそです
うそです
努力で得られないものは
備わっていないものは
泣いても
泣 ....
君がはらはらと はらはらと泣くから
僕はただ おろおろと おろおろとするしかない
君がほろほろと ほろほろとこぼす涙に
僕はただ ふわふわと ふわふわと夢ごこち
あやまったってゆるされ ....
白いあなたはたちのぼりました
火葬場の空に
時間はどこででも流れるものだと
感じた棺の残骸
自分の嗚咽に一番 自分が驚きました
私はあなたを憎んでいたし
あなたと対決する日がこわか ....
はちみたいに蜜めあてで飛んだりしないよ
蝶みたいに綺麗だからってとまったりしないよ
星みたいに何年かかって届けたりしないよ
月みたいにぼやけたり潤んだりしないよ
人みたいでいい ....