{引用=off
部屋の明かりを消しても
真っ暗にはならないんだね。
夜たちからは、もうとっくに
ほんとうの夜なんて
消え去ってしまったみたい。
街灯の光がカーテンを透かし
....
十月さいごの日だまりが
ぼくらに光を継いでゆく
風のしたで悲しみをかまえ
いちばん好きな他人を失う
恋人の不実をまえにして
ぼくは悪くなかったのか
神様、怒って ....
日射しをドレープさせて窓辺にひだまりをつくる
緑いろがにじんでゆく
地球儀をくるくる回転させる
天井にプロペラ飛行機を思い描いてみる
青い本とウクレレを鞄につめて
....
その日、僕は仕事を置き去りにして
青山墓地に向かった。
そして、
その日、僕の何かが壊れた。
さよなら神様
神様は本当に死んでしまったのだ。
五歳の僕は
毎月現れる本屋から
月 ....
10月27日 曇
僕は数を数えるのをやめた
「僕はハルシオンになったみたいだ」と に言った
は腕を縦に切ったカッターを机に置いて力を込めた
「おけちゅるゆりかりゅ」
....
期待に答えるふりをして
いち、にの、さん で ストップ
サイドステップとあっかんべ
まんざらでもないようだけど
足下、気をつけてね
知ってか知らずかどうでもいい
偽物だって ....
在り合わせにかえって思いやりを感じる
わざわざ捻り出さなくても
無ければそれで誰も責めやしないのに
お節介なのは今に始まったことではないので
いつもの舌打ちに心を込めた
昼間の月を見 ....
―あたためますか?
コンビニの店員から言われた。
恋をあたためてくれるなら
それはどういうものなのか
....
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