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あたりさわりのない野辺は
どの角度から見ても真直ぐだった
だから
生き物の骨組みはどこからでも見れた
胸のあたりの骨の向こうは
いつも何かが始まって
終わっていた
始ま ....
あなたは、荒れ狂った、広大な砂地に足を埋めて、飛ばされないように、大時化で、ドロドロとした朝の、ドロドロとした波に打たれて、気絶する、泥土の景色のようだと、あなたは言うから、ねえ、あなたは帰 ....
■宮澤賢治
さて、先日図書館で宮沢賢治を借りてきたのです。ネットで詩をはじめた自分にとってあんまし本てのは食指が動かんかったわけです!!!!(ダメすぎ)面白いくらい詩を読んでないわけなのですが ....
1.
シナ子
今、列車に乗っている
田舎に帰る
トンネルに入るとヒューィって音がこだまするの
それは列車の車輪の音
昔よく吹いていた草笛にも
車掌さんが切符を切る音にも似てる
....
あなたは、
簡素な手順でわたしの胸倉を開き
匂い立つ土足
こればっかりは慣れないものです
その度に鮮やかに毟られる
あなたと遭難したい
篭って
香しき動揺が眼に見える位置で
わ ....
どこから。
ひやりとしている土の上で生きている梢の揺れる(揺れる)末端に刺さる光、が
わたしの温い肌に染む ....
捨て金魚をした
近所に川がなかったので
人の多い駅前に捨ててみた
金魚だってわかってもらうために
「大学と手毬です 可愛がってください」とでっかく書いた
気になって一日に何回も駅 ....
わたし
ごくつぶしの耳鳴り芳一と
反転した橋の下
こうもりみたいな夜を過ごす
森の、もっと森の方
ただのニレだったという屍が
糸を引いて地面に伏せるまでの時 ....