すべてのおすすめ
 人なんて 一緒に食事してみないと分からない
 お酒を飲める人ならば
 呑ませてみないと分からない

 いつもそう 思っているが
 同僚の彼女は呑ませてみても分からない

 生ビール中ジ ....
 泉涌寺の
 楊貴妃観音
 のお堂の前に
 春の日が暮れて

 ほのぼのと薄く紅
 開きそめて囁く枝の
 下に 微かな響き伝え
 息づいている空気が在る

 遠い春雷の 音ない震え ....
 ペールベージュのストッキングの脚は歩く度
 踵に隙間のできるパンプスが
 擬音で表現しずらい音を立てる

 そのアレグレットな足音に
 澄んだ媒介を感じとって 
 追い抜かず 私は着いて ....
 会社では広大な敷地内を 車と自転車が往来する。
 歩行者には「さわやかあいさつ通り」と名称される
 アーケードの歩道が設けられている。

 東の正門で守衛室に社員証を提示しても
 配属先の ....
 あのトマトジュースが飲みたいわ!

 それは缶やペットボトルで売っていない
 ある喫茶店で飲んだ
 初めての味

 こっからだと、ちょっと歩くけど大丈夫か?
 
 夕刻にはまだ早い「 ....
 にこやかに前を歩く私の後ろから着いてきてくれる
 あなたの足取りはまるで
 デパートの屋上へ遊具目当てにやって来る幼児の父親

 やっぱり、ここからが一番綺麗なのよ!
 自慢げに私がそう言 ....
 或日 遠い湖北の外れ町
 心を病みどこへとも行くあての無い 
 たびの子が街からやって来た

 幼すぎるその子に
 ある禅寺のご住職が暫くの宿を
 貸すことにした

 親元を離れた日 ....
 二人 行きつけの飲み屋では
 入口から一番奥まったカウンター席
 三杯目のグラスを掴み取り
 頬張った氷ひとつ
 噛み砕く彼女
 
 大腿骨を一度骨折してから足腰が弱り
 本人は自覚を ....
 雨の止んだ朝
 影を含んだ滴が
 街路樹のてっぺんから
 次第次第にころがって
 葉っぱをかすかにはずませていた

 背の高い少年が二人
 昨夜みた夢の話か
 声を低めてさわやかに微 ....
 
 月の出の頃
 舗道が西へ向って遠遠とのびていた
 この途 にも果はあるのか?

 あれは人気観光スポットの側にあるカプセルホテルの様な
 街路樹の一本
 椋鳥が まるで人の心もおど ....
 真四角の建物の谷間
 冷たい雨が、
 寄り所ないコンクリートの壁に爪を立てて
 のぼり始める
 赤く黒く
 その身をやき尽くそうとして
 一足一足いらだたしげに登り始める
 
 どこ ....
 ベランダ打ちつける雨音
 レースのカーテン越し鳴り響くものが
 西の空も
 東の空も
 緋色 噴き上げ
 花火の様に開いていた
 湖に ぴかっと光った一線が在るだろう
 そこに連なる峰 ....
 歎くべきだっただろうか

 みずいろの空が
 私の上に落ちかかって来るのを感じた時
 心は
 果のない
 重量感のない
 依リ所のない
 空の中に巻きこまれて
 小さなわたしが
 ....
 改札口を出ると いく筋もの河が流れる
 灰色の淵に浮かび
 すべらかにいく青をみつけた

 水の歌
 三月も終りの
 生暖かい大気に 還ってゆく
 透明な
 水の歌

 だが ....
 春 おそく
 雲低い空の下
 裾のほつれをまといつけておいた
 小花柄のフレアースカートはいて街へ出る

 図書館の帰り、線路わきの公園で
 ひとり眺めみる 
 八重桜 
 ぼったり ....
 沼の畔に立った時
 私の真下に見知らぬ女が居た
 山を 仰いでいる女が居た
 水草の花は白く咲き
 深いモスグリーンの森は夏なのか
 ひんやりと うす暗い
 私の真下にいる女は
 口角 ....
 
 湖のほとりで 歓送迎会が宴たけなわ
 大広間のステージ台へ背もたれ向け座る
 センターから外れる円卓、
 あなたが 椅子に割り込んできた

 別の課へ異動していくあなたとは
 正式 ....
 今朝
 東の空に羊雲がびっしりと
 ヒツジたち
 みんな揃ってどこへ行くのか

 出勤すると社員証を提示する守衛室前に
 片足を付け根から轢かれた状態で居る
 路上の 蛙
 目を ....
 一時間ほど止まないかもしれない
 路面に跳ねる雨しぶき

 ショッピングセンター出入り口の側
 売り場フロアーから流れてくる冷気で落ち着き
 ふと 気付くと
 丸みのあるヒップラインの高 ....
mizunomadokaさんのリリーさんおすすめリスト(19)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
酒豪- リリー自由詩5*23-5-7
楊貴妃桜- リリー自由詩7*23-5-4
青紅葉- リリー自由詩5*23-5-2
朝の月- リリー自由詩10*23-4-30
セ・シ・ボン- リリー自由詩3*23-4-26
相合橋- リリー自由詩8*23-4-25
十二時- リリー自由詩3*23-4-23
水割り- リリー自由詩5*23-4-22
少年- リリー自由詩5*23-4-21
月の出の頃- リリー自由詩2*23-4-21
五月雨- リリー自由詩3*23-4-18
湖の即興曲- リリー自由詩5*23-4-17
春雨- リリー自由詩9*23-4-16
水の歌- リリー自由詩5*23-4-15
八重桜- リリー自由詩10*23-4-12
沼のほとりに立った時- リリー自由詩4*23-4-10
淋しい椅子- リリー自由詩4*23-4-8
月曜日- リリー自由詩9*23-3-14
蛇の舌- リリー自由詩12*23-3-12

Home
すべてのおすすめを表示する
推薦者と被推薦者を反転する