今夜は神日和{ルビ=カンピューリゥ}
神日和{ルビ=カンピューリゥ}は物忌み
神日和{ルビ=カンピューリゥ}の夜は家の外へ出てはいけない
村の年寄りは若者に諭した

けれど若者は
十三日の ....
中に溜まった水をあけてしまい
(それはそろそろ腐ってしまいそうだったから)
地面をひたひたにしてわたしは
(時々粘っては私の背筋を凍らせるのだけど)
足先でかき混ぜた泥を拭っては
(きっとあ ....
十二月の
さみしい水の底から
きみのささやきに
耳を澄ませる

ふるえる感情の
ひとつ ひとしずく
その波紋
その不自由

どうして人は
急ぐのだろうね
日時計の影が
伸び縮 ....
見つからない

欲しい物が見つからない

何を探しているかも

分からない。

探し物が見つからない

探している物すら

分からない。

全てが分からない事だらけ。

 ....
 例えば地に足が着地したとして
 曇り空と背の高い建物の間に
 そっと手を差し入れることもできるし
 湿っぽいから霧を出してもいいし
 花のように丸くなることもできる
 後悔はな ....
たとえば君が
太陽や月でなくとも
シリウスようなきらめきで
夜空に祝福を与えてくれる

たとえば君が
笑顔を失ったとしても
僕がお道化になって
気付かれないように
君の元へ駈けつけよ ....
夜はとめどなく凍り続け 
ミニカーで走る高速道路は閑散としている
星間トンネルを抜けるころには
シリウスが輝きを失って氷の塊が無数に路面を舞っていた

冷え切った心を包むのはアーガイルのセー ....
己が欲するもののために
大切なものを犠牲にして
螺旋地獄の世界に飛び込んだ
うすももいろの{ルビ襦袢=じゅばん}の
冬に{ルビ纏=まと}えば
きぬの{ルビ温=ぬく}さ

衿をくいと抜き
腰ひもをきゅうと締める
そのうえに伊達〆をきゅうと締める

足元に着やすく ....
平坦な道をとぼとぼ歩いていくことが
いつしか当たり前になっていて
地図にない道を通ろうとすることを
鼻で笑うことが多くなった

冗談を言うつもりはさらさらない
仮にそうであったとしても
 ....
そろそろおしまい
長引いた旅も
そろそろおしまい
さようならの時間

かなわぬことばかり
不満ばかりが堆積した
こころの泥に別れを告げて
おやすみを言う時間

矢印のように鳥の影
 ....
「冥王星が死にました。」
炭酸ジュースに入れられた少女は、僕を見てそう言った。


不透明な観覧車にのって
星と廃棄物に包まれた
この街を、見る。
2秒間だけ目を瞑り、
世界の ....
ある日あの人は

私に標準を合わし

世界最強のミサイルを放った

ためらいなく
目には見えない感情を
言葉のミサイルに詰め込んで

放った

反撃する余地もなく

わ ....
夢のような
身体を手に入れたよ

まさに不老不死
神様のような力がある
でも心がないんだ
どうしよう


聖母のような
心を手に入れたよ

まさに博愛
揺るぎ無い愛がある
 ....
今日は
長谷川さんが軽い

軽くなった長谷川さんを
おんぶして
仕事に出かける

長谷川さん
ここで休んでいてね
と言って
缶コーヒーの蓋を開けると
そこから山内さんが
 ....
マッチ売りの少女にでもなった気分で
その鍵穴を覗くのがわたしの日課となってしまった

この街へ引っ越してきた当時はタバコ屋さんだったトタン屋根の並び
ちょっとしたお屋敷風の黒塀に
その鍵穴は ....
{ルビ=アヒルの子} 完全な暗闇のなかにいる以外

孤独はそのふりをしているだけだ

天井の模様がうっすらとなにかを象徴している

こうやって天井を見つめていても

そこに孤独はカケラもなかった

思考 ....
すずめのお宿はきょうもにぎやか。
夜をまえに、温かな場所をめぐって
くりひろげられる場所とりの争奪戦
茂みのおくで、ひとときのおしゃべりがつづく
おしゃべりは、一羽一羽が
それぞれの位置にお ....
言いたい放題
言われてしまった

でも、
自分は
たしかに
大した器じゃない

けれど、
大した関わりもない人が
たぶんに狭い了見で
よくもまあ
あんなに細々
あんな ....
会う人誰彼かまわず「一青窈キック!」と言いながら
蹴ることで有名な一青窈。
ある日隣人を蹴ろうとしたら、かわされたばかりか
「一青窈キック!」と言いながら蹴られてしまう。
「お前が一青窈キック ....
「書く」とは
肉体があげる悲鳴かもしれない

そこに僕はいない

ただ体だけがあり
悲鳴をあげている
苦しくて悲鳴をあげている
僕はいない

ペンがすべっている
勝手にすべってい ....
人生はゲームだ

このステージに産まれた瞬間に

ゲームはスタートする

プレイヤーは自分自身を操作して

攻略を開始する

プレイヤーによってエンディグはバラバラ

けして同 ....
 
 
硬質に濁ったゼリー状のものの中で
僕らの天気予報は
軋み
軋んだ音をたて
初雪が観測されたことを
伝えようとしている

子どもたちが歩道橋から次々に
ランドセルを落とす遊び ....
冷たくなってきた風に漂って
きみは何処を向いているのですか


田んぼの脇に咲くススキ
あでやかな花に囲まれて
色づく葉っぱに包まれて
それでも自らの身体を染めることはなく


華 ....
気付かない振りしてるだけで
わたし、とっくに気付いているんだ

夕食後の洗い物とかしている最中
わたしのバッグのなかを探っているのを

縁起良いからと買い求めたガマグチから小銭抜いたでしょ ....
{引用=off



部屋の明かりを消しても
真っ暗にはならないんだね。
夜たちからは、もうとっくに
ほんとうの夜なんて
消え去ってしまったみたい。

街灯の光がカーテンを透かし
 ....
親指を立てる
「グーッ!」

人差し指を立てる
「イチバーン!」

中指を立てる
「ファッキン、アメリカ!」

小指を立てる
そして掌で腹に沿って上から下へ弧を描く
 ....
欠けた言葉で怪我をする
優しくないね
だれもが優しいだなんて
思っちゃないけど
なぜなのいたずらに
突き付ける尖った心

情けないほど悲しくなった
なにもないことに
痛みがあるのは知 ....
昼間の明るさを好まないあなたと
夜の道を歩く


寒いねと差し出す珈琲の缶より
つなぐ指からあなたの温もり


あなたはグレーのマフラーがよく似合う
そうやって顔をうずめて
表情を ....
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