{引用=ぼくたちの未来は いつも、さよならで終わっていくの?}


地球儀をまわしすぎたせいで
透きとおっていたものが
濁っていく 
あの日、
チョークで描いた線路が滲んで
二十 ....
鯵の開きってあのままの姿かたちで泳いでいるのかな
だなんて今さらながらにとぼけてみせても
私は私自身に過ぎなくて

迎え火で迎え
送り火で送る
ヒグラシの鳴く音に季節の移ろいを覚え

 ....
ゆく雲が
君を求めてのばした蔓から
ふわりと咲いた雪の花びら
彼方を白く染めるものの 
ひとつひとつの小ささを
ひとつひとつの儚さを
まるく含んだ湿り気が
花の波に匂いたつ
 ....
電車でごじかんかかります
乗り換えはよんかいです

あんまり遠くに
いるもんだから
こっそりたくさん
泣きました

あんまりなんにも
わからないから
何度も途方に暮れました
嘘は ....
毎日
大学病院前の
ひろいバス停で
猫背のひと

みどりはつよく
陽にあたってきみどり

おばあちゃんのズボンは
昔からサルエル

床のタイルのここは
どうして一枚だけ
はげ ....
蜻蛉が雫に映るとき、
雨の一粒一粒に
空は宿る。
濡れては飛べぬその羽は、
悲哀の純度で透きとおる。


雨の最後の一滴が
蜻蛉の羽に落ちるとき、
無数の空は連なって
ひとつの空を ....
なるようにしかならない
というのは
都合のいいもので
ときには放り出された闇へいくためのことば


可愛い名まえをみて
消えてしまいたいと願ってしまう
手をついて
ショーウィンドーを ....
わたしが生まれるよりうんと昔に
他界してしまった母方の祖父は
実直で陽気なひとだったと言う


わたしが高校の制服に袖を通して間もなく
他界してしまった母方の祖母は
大変に気の強いひとだ ....
 
 
母さんの中を
金魚がぷかぷか泳ぐ
雲の柔らかさ
産地とはおしなべて
そんなところなのだと思う

母さんの背中
バズーカ砲つけたら
悪いロボットみたいだ
だから僕たちは
 ....
愛よ


おまえは道端の石ころみたいに
でしゃばりもせず佇んでいる



それは
太陽の光をたくさん吸い込んだ布団
使い古して先の曲がった万年筆
おどけた瞳を持った豚の貯金箱
 ....
くちびるに触れるか触れないか
そんな軽妙さがおとなの分別ってやつだから
コミュニケーションの難しさとか真面目に考えてはいけないよ

古きよき時代であれば
裸足では歩けないほど灼熱の砂浜で
 ....
爪を噛んでる間に…
お、
尾瀬だよ…
 冷たい虫が脳の中を泳いでいる

 足を大蛇に巻きつかれる
 締め上げられる
 丸飲みされていく

 柳が風にゆら揺らいで
 人影が立つ

 海へ入ると息 ....
「この深い泥の中から拾い上げた錆びたマイクで自己紹介です」


胸と胸を押しつけても重なれなくて 鼓動の数は決められていて


灰の舞うプラットフォームを走りだせばほろびる前の ....
{引用=「出かけないか。」
「どこへ?」
「過去へ。」
「タイムマシンでも発明したの?」
「まあね。真っ暗な夜があればいいんだ。」

神様は天球に宝石箱をひっくり返し、銀の砂をまいた。
 ....
あ どうも こんちは
暑くなってきました でもまだ梅雨のようで
雨がしとしと降っているんですよ 降ったり止んだり。
雨は好きなほうですね
大雨や雪ってナンダカじっと見ていられま ....
(足のとれたピーターパンの人形が積もった埃の下で見る夢)



途切れがちな点字ブロック跨ぐ夏 雲の向こうに打ち寄せる青




内側にはびこる針の芽を撫ぜて微かな痛みが ....
{引用=
ハイビスカス


なき濡れる ハイビスカスよ 咲かないで キミに会えない 夏はいらない 


「あいつって…」 噂話が 気になって ゆるゆる溶ける チョコレ ....
 
 
○父

窓から庭のブランコを
眺めることが多くなった
あれにはもう一生分乗った
と言って
時々体を揺らす
背中が
押されるところではなく
支えられるところとなってから久し ....
渚を歩いていたときのことだ。

波打ち際に、細くなめらかな黒い曲線が描かれていた。
それは波の姿を象って視界の及ばぬ範囲へと延々と続き、
足元に目をやれば無数の点の集まりで、なにかの種を思わせ ....
大好きなあなたと
笑顔をともに重ねたい
陽の見えない換気窓から
影とほんのり外界の時を伝える



枝豆をパチン・パチン
鋏でとってゆく
土のにおいが
なぜか懐かしく
ゆらめい ....
非常階段は
ぜんぶ空に途切れているから
僕の指先はどこへも辿り着けない

そうして
夕暮れは何度も流れて
僕の肩甲骨を
ないがしろにするのです

(お母さんに来てもらいますからね
 ....
暑さにうなだれている名も知らない花は
剥がれかけたマニキュアと同じ色をしていた

使われているひとつひとつの配色が
くっきりとしたものばかりなのは何故だろう
まぜこぜしないのがこの季節で
 ....
傘はどうしたの?
由紀さんに言われはじめて気づいた

昨日買ったばかりの雨傘
ガーリーとは思いつつも華やかなレースに一目惚れしたんだよね

教室に置き忘れたのじゃ無いだけは確かなんだけど
 ....
Natsu no yo no machi(街) wa
Itsuka asufaruto iro no
Kakusa(乾砂) no toori
Soredemo
Yume no koe de  ....
流れに逆らって風が吹くから
動けない枯れ葉が揺れる
時期尚早
焦って落ちた
若葉も揺れる

全くその夏と言えば
まだ6月だと言うのに
いつものように焦ってはじまるイチロクサンパチの祭りが
暑くて街 ....
ほつれる心と身体の端くれを
いつも不器用な指で玉結びするの
やわらかな皮膚にあたる異物感を感じて
ちょっとだけ安心したら眠るんだ

誰かに会いたいって思ったまんまで
はりめぐらされたピアノ ....
夢に溺れた人がいた

夢に溺れた人は口を閉じなかった
本棚にはおとぎ話と空想の国の絵本しかなく
晴れた日には空を眺め花と歌い
雨の日は水滴に合わせて踊っていた

夢を捨てた人がいた

 ....
幾ら
目の前の海が
素晴らしくても
窓を開けられないのなら
ただの特大ポストカード
 
 
並んで座っている父が
僕にもたれてくる
落っこっちゃう、と言って
体を預けてくる
床から目まで
わずか数十センチの高さが
怖くて仕方ないのだ
ねえ、お父さん
お母さんや僕の ....
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