}羊水(春)

コイン・ロッカーのコインが着地する
その音を聞いて
呼気をつきはなす
わきまえてなまえを呼んでも
まだないのだから

うぶごえをあげる
こっちへ来なさい、
と あな ....
東 直子著『春風さんのリコーダー』(有)本阿弥書店
同『愛を想う』?ポプラ社
借りてきました。

『春風さんのリコーダー』は東 直子の第一歌集。この方、ファンも多いし、みなさんベタ褒めです。そ ....
お互いに今日は言葉で癒されないうつむく唇食べたら怒った



まっすぐに歩こうとするくるぶしと額に悲恋の花の刺青



熱のある 夜に雪降る ほろほろほ 溶けていくのはこだわりだろうか ....
日曜日に朝から起きているときは
誰かのために生きているときだ

カメラを首から提げて、僕は君にぶら下がっている
今日の京都は余所行きの顔
君も1時間級の化粧で、休日用の匂い
社会と休戦 ....
40歳になったので
煙草を覚えることにした
からだにわるいことをなにもしてこなかったから
何だか申し訳ないような気がして
ベランダで星をみた
あおい煙が目にしみた
すこしもおいしくはな ....
今僕の涙のわけは退屈で 長くなるので長く書きます

したうえで あなたがうえでしたうえで あなたがぼくを愛したうえで

変態は自覚をしないそれゆえに 変態なのだ これでいいのだ

かし ....
明け方のカラス/みたいにうたってたい



ふりほどいた落ち葉がゆるく 遠ざかる音のする

まだヒトのいなかった頃みたく 吹きすさぶ音のする



空 風がおおく集 ....
適当にご飯は済ませろその代わりたけのこの里は噛みしめて食え



ペケをするマルをするまたペケをする答案用紙が涙ぐむまで



カゴの中震える果物くださいなろくでもない日に ....
片野さんはシステムで
片野さんはその前には詩を書いていた
片野さんがシステムを書き出したので
片野さん、システムですね と言うと
片野さんは、詩ですね、と答えたのだった

片野さんの最終ロ ....
夜型だとか夜行性とか
そんなんじゃなく
あかるさのなかでねむりたいだけなんです
まぶた越しにひかりがないとねむれなくて

そういいながら
さいたのはチーズでした
カスタードクリームな犬が ....
 現代詩フォーラム50選を発表し、わたしがたのしい。という企画です。
 批評祭がずっと前におわっても、平気で大発表してしまいます。ラスト!
 最後に、感想を書きました。最終行までお付き合いいた ....
ひとりでもつづけよう
体温になついている匂い
いま/きみ/とりどりのきみどりのなか
閉じているきみの内側が
きみだけのものにならないでほしい


黙っ/たままのミルク ....
一つ一つ、
確実に
記憶はフェードアウトしてゆく
初めから
霧の中にいたのではなくて
どこかで
座礁したのだ
ここは海
ここは船
頭の上に
高い帆が見える
彼らも反省している
 ....
{引用=あなたが本当に良い詩を書きたいと思うならば、それは、どれだけ苦労してでもやってみる価値があるはずだ。}








 みなさん批評祭お疲れ様でした!!
 宣言しておりま ....
ゆうえんちと呼ばれる公園で
片足だけ長靴でいるような、心細ささ
少年、と、声をかければ
それが、少年だったのかも曖昧になる

雨の夜、街灯の下、秒針のない時計
錆びついたトタン、くすぐりのような失敗 ....
 現代詩フォーラム50選を発表し、わたしがたのしい。という企画です。
 みなさんついてきてますか?テンション落とさず残り35個いきましょう。



 016

 野球やりに行こうぜ磯野  ....
 どうも!ショートレビュー・サンデーをかいてる者です。
 現代詩フォーラム50選を発表し、わたしがたのしい。という企画です。
 新しくこのフォーラムにきた人のガイドになれればいいとおもいます。
 ....
 ・藤篭に鳴く生きものや死にものや


 わたしが佐藤みさ子の川柳と初めて出合ったのは、『川柳MANO』だった。
 『川柳MANO』は樋口由紀子が発行人を勤める川柳誌であり、佐藤みさ子はその会 ....
{引用=
ぼくは、父親の名前に格別思い入れなどなかったが、ぼくが名付けたミドリガメの名前には少しだけ特別な感情が残った。
(一条「ミドリガメと父親」)



+++

 公園にはいつ ....
あなたに似た重みが左腕にあります。
抱きしめられないのは身体がないから。

二月の雪を待つベランダから一月の雪に砂糖をふりかける。
スプーンで掬うことに泣いてしまうひとがいるな ....
以前、作家の佐藤亜紀さんが『ユリイカ』で、批評とは西瓜割りみたいなもんだよ、という趣旨のことをちらっと書いていて、なるほどうまいことを言うもんだなあ、と思わず膝をたたいたことがあります。引用してみ .... 散乱した部屋の中で
テーブルは孤島と化す。
一体どうしたものか?
無傷のまま空き瓶に貯めこまれていた
コインを眺めながら男は考える。
数年後、交通事故に巻き込まれ
ストレッチャーで運ばれて ....
街にパレードがやってくる。大好きなパレードがやってくる。誰もいない大通りを人で埋め尽くすために、暗い夜を明るく照らすために、子供たちに忘れられない思い出を刻むために、街にパレードがやってくる。鼓笛隊の ....
青い、窓は6時台、大きめ自動車/の過ぎる音、宅配、動き出す鳥たち、
短いリズムで返答、背中に抱えてる物差しを長考、
誰を、誰が始めたっていいだろう、次の行く先では、誰だって、夜に、いなく ....
その響きと
余韻しか知らない街で
親しく投げ交わされ
胸にぶつかっては
つぶれて香るトマト
ことこと煮詰めたソースは
ちょっとどころか
すごく甘くて
ふわふわした湯気のなかで
舌がト ....
切り落とされた枝が芽吹いて
いびつに折れた朝の出来事
春まだ浅い日の寝ぼけまなこは
過ぎたことを知らずにいる

幸せな枝に降る雨は優しい
見知った顔をした人達のように
安らぎで包む穏やか ....
ニャー。こんにちは。ひなたぼっこ。ぬくぬく。きもちいいね。う
ん。
あれだね、
ねこはまぶたをとじたろう
さらのミルクがこぼれて、ゆかをこくして、いつだって白の記憶がさきに寝る

かたむい ....
雨の中で開かない傘の重さを
忘れられず捨てられもせず

晴れの日には大きく腕を振って
あてもなく足を伸ばしたい

線路の向こう側は幹で
こちら側は根だと教わる
街路はひと続きのようでも ....
時の棘が蒼い
硝子窓は中空で沈黙している

ゆっくりと沁みとおる夜の重量

稀薄な我の裏側に貼りつく
濃密な我

深淵で暗い薔薇がひらく
鈍色の魚が円を描いて泳ぐ

記憶の闇を抱 ....

のトーン、
乱反射、
わたしたち、
この暗闇にも突き当たりがあります
正しさが、正しくを、固める
たびにお、もう
粉々に、間違えた時間の
欠片をひらおうか。


 ....
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