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9カ月になった君は人間の芽である。これまで可能性としての種であった君は複雑に発達することによりついに芽として外界の光を吸収し始めた。君の眼はもっとも愛しい人ともっとも恐ろしい人を瞬時に見分ける。君の手 .... 今日君の雛人形が届いた
産まれて間もないころ
まだかすかにしか存在していなかった君が
日々成長することで存在の濃度を増し
この初節句でいよいよ確実に存在する
気体から流体へ
流 ....
会社で働くようになると、仕事の能率を上げる行為や仕事に必要な行為は、仕事そのものでなくとも「業務」扱いされる。例えば、同僚のことをよく知ることも業務だし、同僚と親睦を深めることも業務だ。休暇をしっかり .... 俺はこのどでかい建物の中で書類をいじくり
何か血なまぐさい争いでも起きるのではないかと期待していた
人と人とが心底憎み合うような
湿った命同士の争いを待っていた
ところがこのどでかい建物には
 ....
人々でできあがった柔らかな機械の中に
一つの緩やかな歯車として放り投げられました
皆さん幾つもの顔を持っていて
どの顔が本当の顔なのかわからない
結局本当の顔なんてどこにもなくて
 ....
 詩を書く人たちは様々だ。だが、一部の詩人たちは何を書いても金太郎飴であり、そこに詩人独自の書法は見えこそすれ、詩の世界の深まりや人間洞察の深まり、思想の強度が見いだせないことがよくある。確かにそうい .... 自然の形成力と人間の矯正力が、大地の響きが錯乱する場所で渦を巻いて凝縮され、蓄えられたエッセンスが滴としてポトリと落ちた。農の滴は、嵐と豪雨と雷の飛び交う空の高みでひと時羽を開き、やがて人間と自然との .... 人の波を組織していく厳密な力学
かつて敵として対峙していた大きな炎
俺はあんたの姿を瞳の中に閉じ込めることができず
あんたは人との軋轢や制度との不適合を介して
俺の冴え渡った体に凍 ....
 峯澤典子の詩集『ひかりの途上で』(七月堂)を読んだ人は、大方がその美しさに感嘆したことだろう。だが、ここで言う「美しさ」とはいったいどのようなところから発生しているのだろうか。

闇にまぎれかか ....
我が家の桃畑の道路向かいに、周囲の田んぼに囲まれながら土が高く盛ってある場所がある。そこには一本の小ぶりな古い柿の木が中心を占め、右手に数本のアジサイが植わってあり、左手にドラム缶が置いて .... 工場のことを 正しくは季節のない畑と言います 社会のことを 正しくは愛のない家族と言います 法律のことを 正しくは形のない縄と言います 経済のことを 正しくは摂理のない海流と言います 詩のことを 正し .... 日々の忙しい業務に追われながら、私は空いた時間を見つけては公園に行った。その公園は決して規模の大きいものではないが、木々で囲まれ、遊具や砂場があり、ベンチもトイレもあった。道路から奥まった .... 青春は少年時代の狭苦しい熱をいつまでも温存している。光に満ちた限られた視野のもと全力疾走する衝動は、青春を迎えた若い人々の血液の中に一定濃度で存在し続ける。若者は少年のように庇護されたいし .... 祖父は十月に亡くなった。肺がんだった。私は茶髪を黒く染め葬式に臨んだ。火葬が済み、家の墓に納骨する段になって、骨壺の入った箱を持った父は、「こんなに小さくなって」と悲痛な泣き声のような声を出し .... ――G.J.へ

誕生と死との間に、もうひとつ誕生と死とがあるとすれば、それは君たちが今成し遂げようとしていることだ。二人だけの孤独が誕生し、一人だけの孤 ....
あるとき眼が振り返った 振り返った先には脳があるだけだった 振り返ればよいものではない そう思って元に戻ろうとした瞬間 今度は脳が振り返った 脳が振り返る瞬間を見ただけで眼は満足した 振り返った脳は神 .... I温泉郷へ車で向かった。I温泉郷はF県北部に位置する伝統のある温泉郷である。I温泉郷へ向かう途中のトンネルを抜けてしばらく過ぎると、先ほど通過したのと同じ名前の蕎麦屋があった。おかしなこと .... 冬は果樹農家にとって農閑期ではない。冬は、古くなった果樹を伐り倒したり、新しく果樹を植えたりする季節でもあるし、剪定の季節でもある。だから、伐り倒された樹を運んで薪として使用するために割る作業 .... 証人を立てるんだ 例えば僕が今朝目玉焼きを食べたことについて しっかり覚えているし難しいことでもないんだけど でも証人を立てるんだ そのことが却って事実を不確かなものにするから 証人が必要なほど不確か .... 私は数年間とある国家試験の浪人をしていた。朝、まだ日も昇らない頃に起きだし、蛍光灯をつけて教科書を広げひたすら読んでいく。体力が充実したら定期的に答案を書いていく。それは望ましい地図を作る作業 .... 駅前の透き通った路地から
斜めに下っていく
陰だけの旅人
人を信じることを信じることができずに
スーツケースの中では きっと
愛の源がくしゃくしゃになっている
バスのタイヤに初々しく視 ....
大学を出たあと、私は郷里に帰り塾講師として働いていた。郷里は自然の風景が多分に残っている田舎町であり、私の家もまた自然に取り囲まれていた。朝、鳥たちの声と影を庭に認めながら、朝陽を浴びた庭木の輝きに緩 .... 1.現代詩をめぐる状況

 現代詩の読者は減っている。団塊の世代のある詩人と話したとき、「私の若い頃は詩が若者たちの普通の話題に上がってきたが、いまはそんなことはないだろう。」と話していた。現代詩 ....
父は厳格な農夫だった。私は子供のころから農作業を手伝っていたが、効率の悪いやり方や、やる気のない態度、失敗に対して、父から厳しい叱責を受けた。収穫された桃を運搬する際にあやまって桃を落としてし .... 冬の初め、リンゴの収穫の合間に、友人の車に乗って文化センターの展示を見に行こうとした。時候の挨拶のような何気ない会話をしているうちに、車が急に左に寄って、コンクリートの壁に斜めにぶつかっていっ .... 人間であることを返却する前に
再び人間となることを予約しておく
すばやい林檎の色に待ち伏せされては
夜道を歩く闇の物思いにかすかに混じっていく
滲んでくる朝と縫い合わされるために
人 ....
ありがとう
過去へ照り返す言葉だが
同時に現在からリズムをつないでいく言葉でもある
この原野に幾つもの植生が交替していく間
地図のない遠い行路を本能だけで突っ走っていった
あなたの内 ....
肉体が発酵したことを示すように
汗は一枚の流れる衣服として肉体を飾る
俺は文明やら責任やら愛情やらの硬い網から這い出て
大地というまったくの物質に物質として衝突する
ここには人間はいないし ....
青いてのひらから立ち昇った 赤い煙と黄色い灰 今日一日は紫の雨が降る予報 誰かを呼ぶ声がする それだけが存在する人のいない社会で 色は色同士響きあい 次々と異なる色を生んでゆく 黄金の岩肌が銀色の葉を ....  詩は言語を用いる作品であるが、その伝達においては概念的コミュニケーションよりはイメージコミュニケーションの果たす役割が大きい。もちろん、論理的に明快である詩もあるし、感情が明快に伝わってくる ....
壮佑さんの葉leafさんおすすめリスト(65)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
9カ月- 葉leaf自由詩122-3-3
初節句- 葉leaf自由詩122-2-6
業務- 葉leaf自由詩215-11-21
水物厳禁- 葉leaf自由詩314-4-30
恐怖- 葉leaf自由詩514-4-15
詩の文脈化- 葉leaf散文(批評 ...814-4-5
農業- 葉leaf自由詩214-3-28
再会- 葉leaf自由詩514-3-24
峯澤典子詩集『ひかりの途上で』について- 葉leaf散文(批評 ...3*14-3-19
装飾- 葉leaf自由詩714-3-16
twitter- 葉leaf自由詩514-3-14
権利- 葉leaf自由詩414-3-5
虚構- 葉leaf自由詩3+14-3-2
ふりだし- 葉leaf自由詩414-2-23
祝婚歌- 葉leaf自由詩114-2-21
twitter- 葉leaf自由詩314-2-6
I温泉郷- 葉leaf自由詩214-2-2
均衡- 葉leaf自由詩314-1-31
twitter- 葉leaf自由詩314-1-30
地図- 葉leaf自由詩514-1-22
形相- 葉leaf自由詩514-1-12
時間- 葉leaf自由詩514-1-3
詩を救うための音楽——榎本櫻湖『増殖する眼球にまたがって』- 葉leaf散文(批評 ...7+13-12-21
老い- 葉leaf自由詩713-12-17
被害- 葉leaf自由詩1113-12-11
音楽- 葉leaf自由詩1013-12-1
- 葉leaf自由詩6+13-11-22
労働- 葉leaf自由詩413-11-12
twitter- 葉leaf自由詩213-11-2
たなかあきみつ詩集『イナシュヴェ』について- 葉leaf散文(批評 ...713-10-26

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