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はるかにはるかにむかし
誰かがひとみを伏せることをやめた
それから今までずっと
空は空
何百億のあこがれを吸い込んでなお
変わらないのか
ぼくらが自由になれないのは
ぢめんに足のうら ....
水族館が好きだった
おおきな魚が好きだった
わたしはまだちいさくて
背伸びして水槽に額をくっつけた
ガラスは冷たかった
わたしの目を奪う
彼の名前をわたしは知らなかった
ピラルクーが ....
真昼間
マフラーのたなびく
風のにおい
とおり過ぎる一日は
いまだ生温い
魚ノ目が痛んで
歩くのも
生きるのも
億劫なこのごろは
ドアを開けることさえ馬鹿らしい
というのに
....
長いトンネルの先
君を見つけたのはいつだっただろうか
薄暗さに慣れた僕の
からだをくるんだあたたかさに
立ちすくんで息を呑んだ
君の真下を歩いてゆくよ
熱い旋風に身を焦がし
夜に冷え ....
見わたすかぎり
あおあおと
海原
さみしげに
小舟が一艘
のどがかわいて
哀しくなった
水はこんなにあるじゃあないか
いのちによく似た絶望が
きらきらと
世界の途切れる ....