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春の田んぼ
ミジンコ百万匹
夏の牧場
たい肥積み上がり
秋の終わり
もみ殻焼く匂い
そして冬
降り込められた
あなたとわたしの時の匂い
いい香りじゃないけど
嫌いじゃない
....
芽吹きは全ての緑
やがて水蒸気をまとい雲を作る
わずかな五月晴れも次に来る者たちのため
散る花を惜しむ心は
手をかざす真夏の太陽を待つことの言い訳
あるいは
また訪れる静寂の時への
....
山の麓、谷間の果てる所に家はあり
冬場はいつも風花が舞っていた
ストーブは子供の役目で
おっかなびっくり薪を割り
煙にむせびながら火を起こし湯を沸かした
町までは午前と午後に1本ずつ ....
ドアを開けたらまだ真っ暗で
少しめげたけど
新宿行き高速バスの始発は5時3分
元気を出して、君に会いに行こう
バス停は牧場の横、畑の中
途中が手探り足探りの真っ暗で
牛が寝言でいつも驚 ....
夜明け前、一本の道を歩いている
ほの暗い中、歩みに合わせて
さまざまなものが流れ来て
そして去っていく
どうしても分からなかった
いさかいの理由
あの時、君が呑みこんだ言葉
失くした ....
慰めの言葉をかき集めるつもりの帰省で
何のことはない
旧い友人たちを精一杯なぐさめる酒を飲んだ
思えば卒業をきっかけに
故郷を彼らに押し付けて
都会へ来た俺はまだ幸せものだったのかもしれない ....
それがコスモスだと気づくまでに
少し時間が必要だった
黄金色と言えばそれまでだけど
一番君にふさわしくない色
去り行く夏を心から惜しみたいから
毅然とした秋の気配に少しでも抗いたいから
....
弄び過ぎたライターの火は
煙草を近づけると消え
明日は
昨日の中に終わっていた
何か伝えなくては と思いながら
言葉が壊れていくのを見つめ
会話はいつも
始める前に途切れていた
....
鳶が蒼空に浮いている
巧みに風を孕み
見えない凧糸に操られるように
蒼空に浮いている
瞬間、バランスを崩して墜落する
そして上昇気流
寸分違わず元の位置に戻り
また風を孕む
狩 ....
「もう、ここでお帰り」
路傍の花たちが押しとどめる
この道の遥か彼方、山懐に
確かに桃源郷はあるのだけれど
そこに赴いて何をするの?
昨日と同じ今日
今日と同じ明日
そんな安穏に包ま ....
小さな水口から
待ちかねたように水がほとばしり
山吹とコデマリの花びらを散らして
春色に染めていく
かたわらでは
田植えの準備が賑やかで
初めて田に入る子供が
父から苗をもらっている ....
夏嶋 真子さんの西天 龍さんおすすめリスト
(11)
タイトル
投稿者
カテゴリ
Point
日付
いのちの匂い
-
西天 龍
自由詩
6*
10-6-23
次に来る者たちのために
-
西天 龍
自由詩
8*
10-5-6
風花
-
西天 龍
自由詩
11*
10-3-27
君に会いに行こう
-
西天 龍
自由詩
6*
09-11-6
一本の道
-
西天 龍
自由詩
7*
09-10-10
帰省
-
西天 龍
自由詩
10*
09-9-30
キバナコスモス
-
西天 龍
自由詩
4*
09-9-26
昨日の中に
-
西天 龍
自由詩
7*
09-9-19
とんび
-
西天 龍
自由詩
4*
09-9-11
桃源郷
-
西天 龍
自由詩
1*
09-8-21
水口
-
西天 龍
自由詩
8*
09-8-14
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