すべてのおすすめ
頂点を仄青く明滅させる三角形が
部屋の片隅に居る
銀のお手玉をしながら
華奢なアルルカンが宙を歩いて過ぎる
星のいくつかが
音符に変わり また戻る
硝子瓶がひとりでに傾き
グ ....
ふたり歩む小径にも
ふたりくぐるアーチにも
薔薇たちは咲き誇り 香りはあふれ
胸の想いも 互いの声音や眼差しも
薔薇の魔法を帯びて かなしいほど甘やかに染まり
この園がいっそ迷宮と化せばいい ....
青ざめた薔薇の横貌
月を相手にパントマイムするアルルカン
時計塔の溜息
幾重にも自己複製する記憶
仄昏いカルテ
見えない翼の天使
森の浮遊
虚空を音もなく走る硝子の列車
白い小鳥が描か ....
{引用=*四行連詩作法(木島始氏による)
1.先行四行詩の第三行目の語か句をとり、その同義語(同義句)か、あるいは反義語(反義句)を自作四行詩の第三行目に入れること。
2.先行四行詩の第四行目の語 ....
気づくと
背中に窓があった
木の枠の 両開きの窓だ
閉じられているその窓を
覗き込んでいる自分がいた
中には 止まった時計と
傾いだ天秤が見えた
やがてその窓の中にも
自分があ ....
皮膜を張った空に
午後の白い陽は遠く
道は続き
かつてこの道沿いには
古い単線の線路があり
そしてこの季節になると
線路のこちらには菫が幾むれか
線路のむこうには菜の花がたくさん
....
君は歩いてゆく
お気に入りのハットをかぶって
お気に入りの傘を片手に
街の路を 野辺の道を 森の径を
誰かに出会うと
とまどったような ためらったような
微笑みと共に挨拶を交わす
そ ....