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やっと会えた母は、とても穏やかな顔をして眠っていた
真新しい白装束 解剖の痕跡も知らず
すでに身体は綺麗に浄められて
「コロっと死にたい」
いつもの口癖通り、突然の呆気ない最後だった

入 ....
私のDNAの塩基配列に
「ケ・セラ・セラ」という
遺伝子情報が組み込まれている
膨大な螺旋構造の宇宙には
母から降ってきた星屑が潜んでいる


突然の父の入院で
しばらくぶりに会った母 ....
「水際」


水際、を考える。

ボーダーラインを越したり、引いたり。

波打ち際の刹那。

それは躊躇するもどかしさにも似て。

繰り返し訪れる人生の選択にもなぞらえる。

 ....
走るトリル
軽快な鍵盤の連打を聴くうちに
視界が開けて広大な一本の道が現れる
どこまでも追いかけてくるスケール
トップスピードの旋律に
併走したくて意識を集中させる
Gコードを ....
「リサイシャです。」 
突然の呼びかけにハッと顔を上げる
カウンター越しにその女性は佇んでいた 
小さな女の子を二人連れている 
一瞬 何と声をかけようか戸惑う


胸の底に沈殿している ....
私がよく行くインポート専門のブティックがある。
ショップ名は「armoire caprice」
(アーモワール・カプリス)
もしかしたら御記憶の方もいらっしゃるかもしれないが、
以前この現代詩 ....
温められた皿が食卓に置かれている
「私を彩って。そして汚して…。」と
上気した白さで語りかけてくる
アンティパストでは物足りないと言いたげな光沢で
ゆるやかなフォルムの輪郭を際立たせている
 ....
<ブラッディ・マリ―>


ブラッディ・マリーと君の唇の色が同じだから、

どちらに口をつけようか迷っている。

君は何のためらいもなく赤い液体を飲み干す。

重なったその色が乾く前 ....
「貴女はご自分に酔っていらっしゃるのです」


思いがけない言葉に顔を上げた
彼は静かに私を見つめて煙草に火をつけた


(どういうこと?)


いぶかしげな眼差しの私に彼 ....
著者二十代で刊行した第一詩集から第七詩集まで、
半世紀に渡る鋭利な感性の詩編とエッセイからなる一冊である。
この凝縮した水野ひかる氏の世界は、
幾重に年月を経ようとも衰えない「女性力」を感じる。 ....
森の猫さんの渡 ひろこさんおすすめリスト(10)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
最後の紅- 渡 ひろ ...自由詩33*13-12-2
ケ・セラ・セラ- 渡 ひろ ...自由詩38*12-4-9
水際- 渡 ひろ ...携帯写真+ ...22*12-1-17
ジャズ・ピアノ- 渡 ひろ ...自由詩18*11-9-1
罹災者- 渡 ひろ ...自由詩23*11-7-25
クローゼットの秘密- 渡 ひろ ...自由詩16*11-2-15
メインディッシュ- 渡 ひろ ...自由詩19*10-12-13
カクテルのための三篇- 渡 ひろ ...自由詩14*10-11-9
恋愛遊戯- 渡 ひろ ...自由詩13*10-9-27
新・日本現代詩文庫59『水野ひかる詩集』- 渡 ひろ ...散文(批評 ...9*09-10-7

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