おなじ水が
おなじ水のほうへ
ながれてゆくように
僕らは
さかなになりました
僕らはいつしか
濡れたからだで
水辺に立ち尽くしていました
はじめて会った
気がしませんで ....
081119
100年に一度の津波ですと
テレビが
怖いことをおっしゃるので
海の方を眺めたら
金融危機のことだった
一人あたり12000円の定額給付金 ....
書くことが多すぎて彼女は手帳を黒く塗り潰してしまっている。目の前で起きていることを記さなければならないという気持ちに突き動かされて、あるがままをあるがままに写し取ろうとし過ぎている。対象に目を奪 ....
近所の用水路で小さな魚を捕まえた
家にあった水槽に放し
部屋の日当たりの一番良いところに置いた
魚は黒く細っこくて
その頃のわたしは
なんとなくまだ幼かった
+
....
・
一か月が
余りに速く過ぎ去るような気がして
どうしようもない
服を着替える間もなく
あっという間に秋である
外ではまるで軍隊のように
流行なのか
同じ型の服を身につけた女子が
勇 ....
この文章はおそらく君に読まれる事はないだろうから
だからこれはほとんどひとりごとのようなものだ
ぼくは君でオナった事をそろそろ忘れようと思っているんだ
それでも
君とジョナった事を忘れない ....
1、引力をコントロールする装置をつくる というか発見する 自分の中から
2、つまりこのように現実が見えているということは 一体自分はどんなものを世界に見たい と思っているのだろうかということを自 ....
俺はビールにしろ冷えたのが好きで
居酒屋などで冷えてないビールが出てると若干静かに腹が立つ
うちでは冷凍庫にコップを冷やしているので
うちよりぬるいビールや冷酒に金を払うと思うといろいろなものを ....
カメラに向かい
天気図を背にして
「午後から雨になります」
と伝え
小さく頭を下げ
辞表を提出し
その日の午後
先生は雨になった
それは小さな雨だったが
傘を ....
洋介のなかに
空洞が巣喰いはじめた
仕事をしてさえいれば
誰とも話をしないで済んだ
忘れたいものばかりがあって
日々をやり過ごすうち
世界そのものをやり過ごしてしまった
....
朝起きると武士だった
(拙者、もうしばらく眠るでござる
と、布団を被ったが
あっさり古女房に引き剥がされた
長葱を{ルビ購=あがな}ってこいという
女房殿はいつからあんなに強くなったのだろう ....
あなた、アオウミガメの背中を
匂ったことはあって?
少女は
さして、答えを求めるふうでもなく
空と海の継ぎめを見つめたまま
潮風にふくらんだ髪を
そっと抑える
....
どぎついサンセットで終わった一日
夜のはじまりに静まり返る東シナ海
水平線の果て光り輝く香港の淫売宿を目指して
我等が実験艦シュレスヴィッヒ・ホルスタインがひた走る
ふらふら揺れながら傾きなが ....
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