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陽も暮れきった午後六時
買い物メモを持って靴を履く
切れているのは醤油
それから時計に入れる乾電池
八時には夫が帰宅するので
急がないといけない
台所にはやりかけのパズルが広げてある
電 ....
・
午後四時
青の上から
橙や赤や紅色が
塗り重ねられてゆくのを見ながら
大急ぎでベランダのシーツを取り込む
あのうつくしい仕事をしている人が
どんな人だかは知らないが
時折
ゆるめ ....
・
朝
凍ったような青空の中を一艘の船が
西から東へ進んでゆくのを見た
おそらく西に沈んだ月を
東の定位置へ戻す船なのだろう
さざなみが白く航跡を描いて
航跡はそのまま雲になり
ま ....
・
私の本当の名前はスマコというらしいです
だけど父も母も兄弟もみんなスマと呼ぶので
いつの間にか私はスマになってしまいました
ときどき本当の名前について考えます
コというのはどういう漢字な ....
・
幼いころ
妹はお風呂が嫌いで
兄は爪を切られるのが嫌いで
わたしは歯を磨くのが嫌いだった
だからそのころのわたしたち三兄弟ときたら
妹は髪から極彩色のきのこを生やし
わたしはのどの奥 ....
わたしが無職だったころ
茹で卵と塩むすびだけはんかちに包んで
毎日河原へ出かけていた
それしかやることがなかったのだ
アンケート用紙とかに
無職
と書くのが厭だったので
仕事を探してはい ....
・
空が晴れていると
どこへ行ってもいいような気がして
ふらふらと遠出をしてしまいたくなる
そんな時はスーパーへ行って
掌にちょうどおさまるくらいの大きさの
果物をふたつ買って帰る
右と ....
・
一か月が
余りに速く過ぎ去るような気がして
どうしようもない
服を着替える間もなく
あっという間に秋である
外ではまるで軍隊のように
流行なのか
同じ型の服を身につけた女子が
勇 ....
・
コンバインが
おもちゃのように点々と
そこここに配置され
軽トラックが
ちゃかちゃかと走る
収穫の秋がきた
辺りには喜びが
薄い金色に色づいて漂って ....
オイタルさんの吉田ぐんじょうさんおすすめリスト
(9)
タイトル
投稿者
カテゴリ
Point
日付
船に乗る
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吉田ぐん ...
自由詩
25
11-9-9
美術用品のある日常
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吉田ぐん ...
自由詩
33
11-2-21
褪せてゆく秋の或る一日
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吉田ぐん ...
自由詩
22
10-11-15
或る少女の生涯について
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吉田ぐん ...
自由詩
26
09-9-3
わたしたち三兄妹
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吉田ぐん ...
自由詩
31
09-8-25
わたしが無職だったころ
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吉田ぐん ...
自由詩
49*
09-8-4
スーパーにて
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吉田ぐん ...
自由詩
38
08-11-17
せかいをいきる
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吉田ぐん ...
自由詩
55
08-9-29
収穫の秋
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吉田ぐん ...
自由詩
7
07-9-14
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