すべてのおすすめ
相も変わらず
寂しさは私の身体を硬くし
時折に溢れる愛情は
それを許さない
狭間という地点で
一呼吸つけたらいいけれど
見つからない
まだ
真空に飽和している
我に返ればそんな筈がないことも
その後でまた我を失うことも
繰り返し繰り返しまた
繰り返しに知るばかり
私は何処へ往ったのか
それとも此処が私なのか
....
不器用な視線で
私の背中をなぞる人
その深海の底までひとすじに
繋がる台詞が浮かぶなら今
けれど
ただのひとつの言葉を
手繰るよりもずっと早く
分厚い波が途切れず ....
その日ジリはキリカの部屋の近所の居酒屋で、キリカと一緒に夕食がてらビールを飲んでいた。
近くに住む常連客が集まる、気取りの無い賑やかな店だ。
「なあ、キリカ一緒に住まないか?」
アルコ ....
ジリが山手通りを自転車で飛ばしている頃、キリカは水を張ったバスタブに腰まで浸かってぼんやり天井を見上げていた。
「ジリのヤツ遅いなあ。」
ジリは山手通りを右折して、かむろ坂を登り始めたところだ ....
浅い夜の沖の辺りに
目を凝らせば
深い場所にじんわりと
普段は誰にも気づかれず
隠れてるものが
見えてくる
柔らかな
月の明かりの下でも
眩しい
日差しの真ん中で ....