すべてのおすすめ
展望台から視線をはるかかなたへ飛ばすと
白の最中に消失して
雪が海に吸い込まれていく様子を
しかたなく眺めている

流麗な発音でワインをたのんだあとに
つめたいテーブルのうえに冷たい手のひ ....
かなしみの夜に
貝殻の雨が降る
わたしのように繊細では
とても生きていけないとおもっていたのに

ちゃんと生きてこれて
今日も生きています
いろいろなことに感謝しています
かなしいこと ....
孤独を研いで研いで研いで研ぎ澄まして
誰一人いなくなってから僕は
ヨーロッパへ向かう飛行機に乗る
後に思い残すことはもう、ない

まぶたの裏に懐かしいバラハス空港を思い描く
地下鉄に乗って ....
茅葺の屋根ふきかえる仕事なら
5000円くらい出してもやりたい

赤裸々な積乱雲を食べてみる
グレゴリー・ペックの声色を真似て

濡れ光る僕のあそこのユニコーン
おまえもただの女なりしか ....
夜の淵からわたしがこぼれ
わたしの淵から夜がこぼれる
固いビスケットを菩提樹の
お茶に浸して深深と雪

積もる声もことばもあるし
誰からも等しく遠ざかれば
せわしなく人の世に生きていたこ ....
いい詩をお書きになる あのひと
言葉はなんでもなくて、抽象性が無担保でまかり通る
それなのにそのひとの選ぶことばのならびをみて
とってもうれしいきもちになってしまう

このひとは本当はすごく ....

 わたしはひそかにその人をガーベラさんと名づけている。
 月曜日の昼、大体同じ時間にやってきて、大体同じ内容の花束を頼んでいく。ガーベラと赤みの差す花を葉蘭で包む花束を。
 だからガーベラ ....
揮発性の高いエチカ
不文律が陽を遮ると
最後には人柄で勝負
僕がもっとも不得意とすることじゃないか

曇りガラス越しにカラス
硬い羽を打ちつけて
絶望する暇があれば希望せよという
僕の ....
結晶する 耳元を過ぎる速い風
二人から 切り離されていく運命
共有した 時間が遠ざかっていくと
無理して 笑っていたのかと疑心暗鬼

光のさす場所を突き止めて
香りの漂う源を追い求めて
 ....
タールに浸した翼を
バサバサと音を立てて
羽ばたこうとしている
悲しみはついに水源に至る

さるご婦人から頂いた
ラヴェンダーの香水を
春先に洗面所で誤って
落として割ってしまって
 ....
丁寧に折りたたまれてぼくの声は
秋の海の波打ち際
街路が冷たい空気に抱きすくめられる前に
こころを回収するために僕は駅へ向かった

音がいつまでも鳴り止まない海
音声もまたエネルギなのだ
 ....
繭の中身を確かめに
ヴェランダからするんと
カーテンを伝って降り
君の夢へ移動する

月無き夜のこと
君の小さな体に
無数に穿たれた
秘密の森のこと

心に生い茂る銀色の
すすき ....
hearken to the wind of will

曇り空の下にひろがる
見慣れた世界に雨が落ちる頃
君は花のように風に髪を梳いた

言い訳ばかり机の上に
積み上げてつまんない大人 ....
窓の外に火星が出ている 部屋の中にグロキシニア
手のひらにひやりとする不在と堆積する夜 闇夜
少女のいない部屋で道具にぐるり囲まれ
憧れに取り残されてシャツを濡らす惨めな男

目に見えるもの ....
ボタンを外していく器用な指の動き
パンをちぎり口へ運ぶ迷いなき指の動き
ミメーシスの強迫観念もなりをひそめて
肩の高さで揺れる髪に無言になる宇宙

丸い乳房 しなやかなアキレス腱 唇 声
 ....
青黒いかなしみは
ようよう光の中で
薄かわをはぐ様に
透明度を増しており

痛む足を庇いながら
長い螺旋階段を登る
週末にはなめらかな
音楽が不在らしい

緊密に並べられた
物事 ....
パチパチと散る
砕け散る
線香花火
それよりも
音無く夜に
消えていく
無音の夜に
消えていく
悲しい人の
戯言と
可愛い人の
独り言

パチパチ空は
水溜り
水音高く
 ....
全然論理的じゃない

プレカリオはそういうふうに歩んで
いくものではないでしょうに

全然非論理的ではない
風孕み舞い上がるカイト
急行電車から眺めては

折り重なるシフォンのドレス ....
その詩を書いて僕は死ぬ

浮遊して目的もなく
受け取り人指定もなく
切手も貼られていない

これといって特別ではなく
目新しいところもなく
自己弁護も含まない

一人で生きる感謝の ....
小さく咳をして
教室に吸い込まれる
革靴だけが吸い込まれずに
僕のいない廊下に取り残される

「大学の勉強などいったい何になるか」
これは本質的な問いなので歓迎されない
チョークで汚れた ....
てのひらの痛みを
紙風船のようにかるく
空へとけこませ

誰がここまでたどりつき
誰がこの境界を踏み越え
誰がその先の景色を見るのか

吹きすぎて丘を走る
すれ違った季節たち
付加 ....
風を凌ごうと咄嗟に
破り捨てた五線譜でビバークする
知っているよ
その風の強さを
その風の冷たさを

君の涙が乾いていく

音楽の軽さ ゆるやかに
流れるように声を重ねて
君の痛み ....

木曜日
予備校の前で君と会う
MEGADETH止めてイヤホン外す
・・
君が言う
「スパゲッティがたべたいよう」
スパゲッティはありませんよう
・・・
水曜日腕を振るったごちそう ....
八重桜愛で
歩くスーツの肩寂し
早く帰って ビールのみたし
真昼に背伸びする
僕達の忘れ物が
緑のてのひらを
ひらひらと泳がせて

人の歩く畦の
少しぬかるんだ日陰で
ころりころりと耳そばだてて
笑っているよ 楽しそうに

もうすぐ旅立つ時 ....
nonyaさんの瀬崎 虎彦さんおすすめリスト(25)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
祝福- 瀬崎 虎 ...自由詩212-3-2
かなしみの夜- 瀬崎 虎 ...自由詩310-10-14
亡霊- 瀬崎 虎 ...自由詩410-2-11
ハーモニクス- 瀬崎 虎 ...短歌510-1-17
今よりずっと澄んだものに- 瀬崎 虎 ...自由詩710-1-16
あのひと- 瀬崎 虎 ...自由詩5*09-12-28
ガーベラさん- 瀬崎 虎 ...散文(批評 ...709-12-18
不徳のいたすところです- 瀬崎 虎 ...自由詩509-12-13
愛されなかったひとのためのソナタ- 瀬崎 虎 ...自由詩509-11-28
自由の二等辺三角形- 瀬崎 虎 ...自由詩609-11-7
少し海を見て電車で帰った- 瀬崎 虎 ...自由詩6*09-10-31
月鳴夜- 瀬崎 虎 ...自由詩17*09-9-2
hearken_to_the_wind_of_will- 瀬崎 虎 ...自由詩709-9-2
Explicit_Circumstance- 瀬崎 虎 ...自由詩5*09-8-23
Implicit_Circumstance- 瀬崎 虎 ...自由詩609-8-22
八月に微笑- 瀬崎 虎 ...自由詩209-8-1
パチパチ- 瀬崎 虎 ...自由詩309-7-26
スパーゼル・フォー・レッド・シアター- 瀬崎 虎 ...自由詩209-7-12
その詩を書いて僕は死ぬ- 瀬崎 虎 ...自由詩7*09-5-15
五月の天使たち- 瀬崎 虎 ...自由詩7*09-5-8
いま生まれた人に- 瀬崎 虎 ...自由詩209-5-3
春の音- 瀬崎 虎 ...自由詩809-4-27
戯れエチュード- 瀬崎 虎 ...短歌409-4-21
春宵- 瀬崎 虎 ...短歌209-4-18
さようなら_さようなら- 瀬崎 虎 ...自由詩709-4-12

Home
すべてのおすすめを表示する
推薦者と被推薦者を反転する