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夜をまとい ひとつ
また ひとつ
陽を仰いでは
あなたの声を 響かせる
厳かに切り離されていく 大きなかげろう
ゆらりと揺れては 温もりを浮かべて
覚えていますか
先の夏には ....
古い家が連なる道を駆け抜ける
手に虫取り網 腰には虫かご
ひまわりのワンピースを着て
麦わら帽をかぶり
柔らかなサンダルで
兄の後ろぴったりに 駆け抜ける
スサノヲを祀ることなど
知 ....
少し照れくさそうに
藍の浴衣をまとい
そつなく束ねた髪にボタン
待ち合わせの立ち姿
初々しさに微笑んで
夏の夢のはじまり
人々は吸い込まれていく
太鼓の試し打ち
高揚する心
かき ....
発泡スチロールに入った
テナガエビがひしめいて
二十匹の黒い塊の
半分は水槽に
大きいものは鉢に
フライパンに油をひき
強火
鉢から出して丁寧に洗った
エビを入れて蓋をすれば
し ....
どうも先天性らしいのです
人の心に穴があるのは
入り口は巨大な洞穴のようであったり
縫い針がやっと通るほどのものであったり
それぞれ異なる 奥深さ
それゆえ根付く 闇のまた闇
....