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小さな
一人暮らし用の冷蔵庫
霜だらけの冷凍室の内部は
どんどん狭くなる
なのに
霜取りスイッチもない
しかたない
それでは
冷蔵庫と冷凍室を空にして
霜取り
 ....
真昼の空気越しに見る空は青くて
目には見えない風がひんやりして気持ちいい

空気が透明でよかった

なんてね

でも

さっき君の声が僕を呼んでいるとき
君の声は透明で何も見えなか ....
東京駅で総武線の快速に乗り換え
新小岩駅に着いた
駅に着いただけでうれしい
実家にはもうすぐ着く

新小岩駅
私の生まれ育った町の最寄り駅
家族で潮干狩りに出かけた時も
友達と東映まん ....
湯船の湯の中でアルファベットを書いていると
いくつものカルマン渦が生まれた
小さなCの渦
乱れたEの渦
投げやりなXの渦
Qを書くと
Qの渦が生まれ
その中心が優しく輝いているのが見 ....
盆の入り
スーパーの店先にはたくさんの花が並んでいる
私は小さな白菊を一束買って
位牌も仏壇もないアパートのテレビの横に添えた

命の儚さに狼狽え
己の傍観者面に辟易し
せめて大切な人を ....
幅わずか20cm足らずの白線に仕切られた世界は真逆の世界
私のわずか右の世界では皆
私がいた過去に向かって進んでいく
私の世界は誰もいない
皆私の右側の世界を進んでいく
まるで私の未来から皆 ....
電池の切れかけた目覚まし時計の秒針が
8と9の間で震えている
目覚まし時計はもう鳴ることも時刻を示すこともできないが
私にはどうすることもできない

目覚まし時計の側には
薬と孫の手はある ....
思い出した

深夜放送で読まれた骨肉腫の高校生の女の子の
手紙
中学生の僕は
いのちというものをはじめて意識した
しばらくして女の子は亡くなった
女の子が好きだった深夜放送
僕も毎 ....
真昼の烈光は
漂白剤のように
景色も
僕の影も
脳も
真っ白にしていく

何もない


真昼なり
汗をかいた

汗で目がしみる

生物として
人として
うれしい

曇っていても
太陽を感じる

風が吹かなくても
体温を感じる

くよくよするな
汗をかけ

ひか ....
血のつながりの有無などは関係なく
子供の保護者としてこの社会に登録した者は
個人であれ行政に携わる者であれ
社会に監視され続け
何かあればすぐに疑われることが正しいと
覚悟しなければならない ....
家に帰るなら右折車線に入ってUターンだけど
ハンドルは切らない
Uターン禁止のオレンジ色の春

今日はユレルカレルをリピートでずっと聴いている
ボリュームはうるさいくらい上げて
アクセルは ....
リビングの照明カバーの中に黒い小さいものがある
多分小さい虫の死骸
当分蛍光灯を交換しなくていいように
LEDの照明にしたのに
1年も経てばこんな状況

何でお前ら
明かりを求め迷い込む ....
工場のてっぺんで鳴くセキレイ

緑と潮の朝の風

田んぼに映るセピア色の富士山と雲

遠くにいる昔の仲間たち

限りなく近づきたい

そう想う


季節はこんな近くにいるのに ....
だから
直立猿人はマイルス・デイビスじゃないって
チャールス・ミンガスだっつーの

あいつは部室でカセットテープに録音した
直立猿人をよく聴いていた
そんな時のこんな会話を
あいつはきっ ....
今日のために
昨日を生き
明日のために
今日を生き
夢のために
明日を生きる

でも

私は知っている
昨日も今日も明日もつながっていることを
だから本当は昨日も今日も明日も ....
春の日射し
山間の里
富士の清水の恵みを人々に振る舞う
酒蔵の蔵開き
心に沁みる酒
わさびと酒粕のかおり
皆の笑顔と笑い声

一年振りの再会は
社交辞令の欠片もなく
互いに肩を ....
【区別】

女と男

障害者と健常者

労働者と経営者

1×ー1とー1×1

老人と若者

貧しい者と富める者




【差別】

男と女

健常者と障害者 ....
自分に催眠術をかけようとして
5円玉に糸を通してぶら下げて
目の前で振り子運動をさせて見ていたら
気がついた


振り子の重りがどんなに軽くても重くても
振り子運動の往復時間は同じ
 ....
息を吸いながら力の限り叫ぶ

この
邪悪な怒りを吸いながら
叫ぶ

この
涙を吸いながら
叫ぶ

この
鼻水を吸いながら
叫ぶ

この
叫び声を吸いながら
叫ぶ
 ....
中3の時建国記念日に授業があった
社会科の先生が生徒を集めて行った
その中に僕もいた
授業は教科書を使わなかった
「神話は歴史じゃない」
と 先生は言った
突然
教頭が怒って教室に入って ....
nonyaさんのichirouさんおすすめリスト(21)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
霜取り- ichirou自由詩1014-9-24
君が入れてくれたコーヒー- ichirou自由詩17*14-9-21
ああ新小岩駅- ichirou自由詩1014-9-2
Qの渦- ichirou自由詩14*14-8-23
白菊の香り- ichirou自由詩15*14-8-13
センターラインの右側の世界- ichirou自由詩17*14-8-11
ある終末- ichirou自由詩914-8-5
深夜放送- ichirou自由詩814-7-31
真昼なり- ichirou携帯写真+ ...17*14-7-30
もうしばらく汗で目がしみていたい- ichirou自由詩10*14-6-20
保護者の領分- ichirou自由詩9*14-6-3
ユレルカレルのビートでUターン禁止のオレンジ色の春- ichirou自由詩5*14-5-14
照明カバーの中の黒い小さいものを見て想う- ichirou自由詩19*14-5-12
限りなく近づきたい- ichirou自由詩514-5-10
直立猿人をいっしょに聴けたなら- ichirou自由詩8*14-4-19
昨日と今日と明日と- ichirou自由詩10*14-3-26
蔵開き- ichirou自由詩13*14-3-16
区別と差別- ichirou自由詩8+*14-3-12
振り子運動を見ながら平等を考える- ichirou自由詩9*14-2-23
息を吸いながら力の限り叫ぶ- ichirou自由詩8*14-2-22
今日はうれしい出勤日です- ichirou自由詩8*14-2-11

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