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玩具屋から
長兄が竹と網を買ってきた
二本の竹を十文字に交差させる
曲がりにくいところは
ロウソクの火であぶって
柔らかくして
十字の結び目を針金で固く縛る
網を竹の先端の四隅で止めて
 ....
地面から声がする
見おろすと小さな
白い帽子が揺れる

帽子を乗せている茎を折って
目の前に近づける
帽子に見えたのは
米粒よりさらに小さな女の子たちが
たくさんぶら下がっている姿だっ ....
割った石を硬い石で叩いて
形を整えて積みあげる
石と石との間には剃刀も通らない
石の壁は数百年を経ても崩れないで
空に近く雲をしたがえて
城塞と都市とを保っている

毎朝通勤電車の始発駅 ....
朝起きて具合が悪いといったら
「休みなさい」
と母がいう
ぼくよりいつも遅く出かける父は
今日は会社に行ってすでにいない

うまくいった
とぼくはおもった
普段なら熱をはかられて
「 ....
ぼくは小学校にはいるまで
母の隣に寝ていた
母が小料理屋を始めて
夜遅くまで帰ってこなくなった
ぼくらの面倒をみるためにきた叔父が
押入れにあがって布団を被った
ぼくも隣にはいる
ぼくは ....
小学校から帰ったぼくに
「今夜はお母さんの店で夕食だぞ」
と微笑みながら次兄がいう
長兄が帰ってきたところで
兄弟三人で冬の夕方の千住の町を
母の店に向かった

今夜は母と一緒の夕食だ
 ....
今ここにある危機を
止める術はないのか

久しぶりに仙台の娘の家を
夫婦で尋ねる
美しい顔が教育する母になって
娘の顔は冷たく尖っている

三十年前に
娘が生まれたころ
妻は働いて ....
北村 守通さんの殿岡秀秋さんおすすめリスト(7)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
四つ手網- 殿岡秀秋自由詩410-4-14
タンポポ- 殿岡秀秋自由詩609-10-17
架空の城- 殿岡秀秋自由詩609-9-16
長い休み- 殿岡秀秋自由詩1209-9-2
もうひとりのぼくが囁く- 殿岡秀秋自由詩409-7-3
冷えたカレーライス- 殿岡秀秋自由詩809-6-3
今ここにある危機- 殿岡秀秋自由詩309-3-3

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